漢方診断 のやり方

例)ニューヨーク在住40代の“COVID-19に罹患した医師
3月17日(火)の夕方から少し倦怠感を自覚し、風邪の引き初めのような感じでした。
3月18日(水)後頭部の頭痛と倦怠感がありました。午後8時、36.6℃。
3月19日(木)後頭部の頭痛が継続する。激しい頭痛ではありません。同日午後7時は37.7℃、午後10時に38℃となり、明らかな発熱を自覚。上気道炎症状は全くなく、倦怠感と頭痛のみ。
3月20日(金)午後10時36.9℃。
3月21日(土)午前8時半、37.4℃。
この五日間の感染初期にどんな漢方処方を投与すればよいか?
咳嗽はまだ出ていないし、頭痛も激しくはない。発熱は出たり引っ込んだり、午后になって少々あったり。後頭部の頭痛と倦怠感のみ。
この後頭部の激しくはない痛みは「頭痛裹ツツむ如し」ではないだろうか?

試みに漢方診断をやってみよう。
本ブログの「参考」の所にある「漢方診断-症状」で「頭重」は「02-13」である。
これと温病の「」の二つをキーにして「漢方診断-800証」から「漢方診断-処方4」までを(サクラエディタで)検索する。
すると「漢方診断-800証候」から8.25寒湿困[蘊]脾証 寒湿内盛,困阻脾陽 がピックアップされてくる。
また「漢方診断-処方4」からは 湿温 邪遏衛気 藿朴夏苓湯 と 湿温 邪遏衛気 不換金正気散 がピックアップされてくる。
COVID-19中医方案より5 では、早期3.湿蒙清竅,湿困脾胃証 に藿朴夏苓湯が挙げられており、これとうまく一致する。
このようにして漢方診断を色々に工夫して使って欲しい。

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《臓腑虚実標本用薬式》5

五臓五味補瀉
“肝が短急を苦しめば,急ぎ甘を食し以って之を緩める”;
“心が緩遅を苦しめば,急ぎ酸を食し以って之を収める”;
“脾が湿に苦しめば,急ぎ苦を食し以って之を燥かす”;
“肺が気上逆を苦しめば,急ぎ苦を食し以って之を瀉す”;
“腎が燥を苦しめば,急ぎ辛を食し以って之を潤す”;
“肝が散ずることを欲せば,急ぎ辛を食し以って之を散ず,辛は補となり,酸は瀉となる”;
“心が軟を欲すれば,急ぎ咸を食し以って之を軟らかにす,咸は補となり,甘は瀉となる”;
“脾が緩を欲すれば,急ぎ甘を食し以って之を緩める,苦は瀉となり,甘は補となる”;
“肺が収を欲すれば,急ぎ酸を食し以って之を収める,酸は補となり,辛は瀉となる”;
“腎が堅を欲せば,急ぎ苦を食し以って之を堅める,苦は補となり,咸は瀉となる”

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《臓腑虚実標本用薬式》4

六腑六臓用薬気味補瀉
内容:
肝、胆(温補凉瀉。辛補酸瀉。)
心、小腸(熱補寒瀉。咸補甘瀉。)
肺、大腸(凉補温瀉。酸補辛瀉。)
腎、膀胱(寒補熱瀉。苦補咸瀉。)
脾、胃(温熱補,寒凉瀉,各々其の宜しきに従う。甘補苦瀉。)
三焦、命門(同心。)

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《臓腑虚実標本用薬式》3

升降浮沈
李杲説;薬には升降浮沈化,生長収蔵成があり,以って四時に配す。
春升夏浮,秋収冬蔵,土は中に居りて化をなす。
味薄き者は升りて生ず,気薄き者は降りて収める,気厚き者は浮きて長ず,味厚き者は沈んで蔵す,気味平なる者は化成す。
但し辛、甘、温、熱及び気味の薄き者を以って補うと言うのは,即ち春夏の升浮を助けることで,それは便ち秋冬収蔵の薬を瀉すことである。人身に在りては,肝心が是れなり。
但し酸、苦、咸、寒及び気味の厚き者を以って補うと言うのは,即ち秋冬の降沈を助けることで,それは便ち春夏生長の薬を瀉すことである。人身に在りては,肺腎が是れなり。
淡味の薬で,滲は升,泄は降,諸薬を佐使する者也。
用薬において,此れに従えば升,此れに逆えば死,たとえ死なずとも,亦危うき範囲なり。

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《臓腑虚実標本用薬式》2

標本陰陽
李杲説;医者たるもの病いを治そうとするなら,標本を知らなければならない。身体について論ずれば,外を標とし、内を本とする;陽を標とし,陰を本とする。
故に六腑は陽に属し標とし,五臓は陰に属し本とする;臓腑は内に在りて本とし,十二経絡は外に在りて標とする。かくして臓腑陰陽気血経絡にも又各標本の分がある。
病いを論ずるなら,先に受けたものが本で,后に伝わるのが標である。
故に百病は必ず其の本を先治し,其の標を后治する。さもなければ邪気はますます甚しくなり,其の病は益々蓄積される。通常は先ず軽病を生じ,后に重病を生ずるから,先ず其の軽きを治し,后に其の重きを治せば,邪気は乃ち伏くす。

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《臓腑虚実標本用薬式》1

ある程度、漢方や中医学を学んだ人が、更に上の段階に次に学ぶのに「どんな本を読めばいいか」という質問を良く受けます。そんな時にお薦めできる書物が思い浮かばなくて困っていましたが、ある時《臓腑虚実標本用薬式》にぶつかり、これはいいと思ったので紹介します。
『中薬の配合』丁光迪 (著), 小金井 信宏 (翻訳),東洋学術出版社,2005年10月11日,第1版
上の書は「臓腑虚実標本用薬式」の有用性について述べた本邦唯一の書物です。「臓腑虚実標本用薬式」とは張元素の代表作のひとつで、内臓の寒熱虚実の観点から病機を説明したものです。この臓腑辨証説は后世の医師によっても高く評価されています。本書の処方と用薬方法は簡潔であり、古典を継承しつつ革新的な理論を加えています。五臓六腑の生理機能を把握し、疾病の病理発展を理解し、巧妙に引経報使薬物を使って薬の効能を向上させています。この臨床診療のアイデアは、今でも指導的な役割を果たしています。

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湿温病6

治療原則:三つの鍵
1.祛湿清熱を達成するには,湿熱を分消しなければならない(祛湿が要め)。
葉天士は云う:“湿が去れば熱は孤立し,熱は恋着するものが無いので自解する。”

病位が上焦にあれば‥‥頭重裹ツツむが如く,胸悶,神昏昧となる。
上焦の湿が重ければ、治法は“宣上”にある。すなわち「辛温宣透,芳香化湿」により「肺気を開く」ことである。
表気が通り,腠理が開けば,湿は表から散ずる。
またそれにより三焦が通調すれば、水湿は下行し,湿は小便から去る。

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湿温病5

以前のブログ「湿温病1~湿温病4」に追加です。

湿温初期の三大禁忌
本病初期には発汗、攻下、滋陰の法を禁用とする。
もし辛温発汗を誤用すれば,湿熱は上蒙して清竅を阻む;攻下が早過ぎれば,脾胃の陽気を損傷する;滋陰柔膩の品を誤用すれば,湿邪は錮結して解せず。
呉鞠通は此れを“汗すれば神昏耳聾となり,甚しければ目瞑ツムりて言わず,之を下せば洞泄となり,之を潤せば病いは重くなる”と謂っている。

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一気周流による治験

西安市中医医院の楊震中医師は今度の新冠肺炎で防治組専家顧問を勤め、一気周流学説・相火気機学説を応用して恢復段階において一定の成果を挙げた。
恢復段階で困難なのは,症状が完全には消失せず,肺部影像に炎症が残る場合である。この段階に至っても,臓腑功能が失調したままであるのは,一気周流が阻滞して,“鬱”となっているからである。

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すっきり回復しない新型コロナ

新型コロナが「スーパー抗原」の可能性、一部が細菌毒素に酷似」に次のように報告されています。
新型コロナに感染した子ども(21歳未満)の16〜45%は無症状とも言われる一方で、「小児多臓器炎症症候群(MIS-C)」と呼ばれる重篤な疾患を発症(発熱、発疹、「虫垂炎と間違われるほど」の激しい腹痛、下痢、嘔吐)することがある。
これは咳・体の痛み・鼻水といった、典型的な新型コロナ感染症の症状が現れてから数週間後に発症する。また無症状感染後に発症する場合もあるという。
その原因として考えられる事の一つに、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、気管からいなくなった後でも、消化器系で複製を続けることがある(ウイルスが便の中に最大1カ月潜んでいる)。特に子どもの場合はその傾向が顕著だ。これは、COVID-19が単なる呼吸器系疾患ではないことを示している。(以上引用)

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周易と子午流注

(『周易と中医学』p186)
子午流注は針灸の時間医学療法の中の古典的な針法である。その特色は十二経脈の経気の盛衰開合の時機により取穴することにある。その方法として天干地支を用いて推算を行なう。
子午流注の原理は、人体の十二経の気血の盛衰変化が昼夜の陰陽二気の消長変化の法則に従うところにある。
すなわち、夜半は子時であり.子は至陰、陰が極まり一陽が生じ、子時には気が昇る。早朝は卯時で、陰は次第に減り、陽が増す。日中は午時、午時は至陽、陽が極まり一陰が生じ、午時には気が降りる。夕方は酉時、陽が減り陰が増す。陰陽の消長盛衰の変化は『周易』の精髄である。

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