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『許浚』<ホジュン> 上・下巻

東医宝鑑

『許浚』<ホジュン> 上・下巻 各1,900円 李恩成著/朴菖熙訳
発行 株式会社結書房 // 発売 株式会社桐原書店

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私は今やっと上巻を読み終えたばかりですが、一刻も早く皆さんにお知らせしたくてならず、これを書いています。
初めの頃は漫然と読んでいたのですが、内容が次第に漢方的になってくるや俄然面白くなり、上巻を読み終える頃には感動のあまり不覚にも涙が出てきてしまいました。是非とも皆さんに一読を薦めます。

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(インターネットの宣伝より引用)

この本は、漢方の本家、中国の漢方書「本草綱目」を凌ぐと評価された朝鮮医学の集大成、全25巻の医書=「東医宝鑑」を著した実在の名医・『許浚』の波乱の生涯を描いた感動のドラマである。
韓国でテレビドラマとなり視聴率60%を獲得。韓国の人々が涙し、感動したその底流にある想いを私たちは共有できるだろうか。朝鮮民族の心を知る待望の書。

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 ほぼ四五〇年ほど前に朝鮮の地に生まれ、不朽の漢方名著『東医宝鑑』を遺した名医・許浚を描いた本書は、もともとはシナリオであった。先にテレビドラマ化されて高視聴率を獲得し、次いで小説化されたものである。
 本書は長大であるが、波瀾に満ち、手に汗にぎる人間ドラマが展開され、息もつかせない。
読者は予備知識なしでもストーリーに引き込まれるにちがいない。

ホジュン

(本文より引用)
村人たちが採ってきたもぐさは薬用として精製されたものでもなく、灸につける火もまた、禁忌とされる八種の木、つまり松・柏・楡・桑・棗・枳殻・橘などの木を避ける暇がなかった。
 結局、村翁にもぐさを搗いてふるいにかけ、小さく丸める要領を教え、ようやくできあがった灸を患部の上に載せて蝋燭の火ですえるといった臨時の便法に依るほかなかった。
 また、もともと灸は薬や鍼の及ばない重症の場合の治療の手段であって、その据える時刻も厳守されるべきであった。
灸をかならず昼以降に据えるのは、朝方はまだ人体に穀気が充分にまわらず虚ろな状態にあるため、灸によって皮膚に燃え入る激動が生じれば、それだけ血行が不順になることが危ぶまれるからである。
 「医は真心を尽くせば禁忌を超える」とは、いつか聞かされた柳義泰の教えだが、今その一言が許浚を励ましていた。

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私には『東医宝鑑』についての特別な思いがあります。
手元には昭和47年、株式会社 日韓経済新聞社発行の『東医宝鑑』があります。定価は一万円もしました。
解説によると日韓経済新聞社の上原金一社長の英断により口語訳と発刊が決められたそうですが、翻訳者には四名の名があってもその人達の経歴すら書かれていません。

この書物が手に入った時は小躍りする位に嬉しかったものです。
何故なら当時はまだ中医学は入って来ていなくて、台湾の張明澄氏の斬新な解説が唯一の手掛かりでしたから、この一書の豊富な内容は百科事典的ではあっても欠けたるところを補って余りあるものだと感じました。
おそらく一冊だけでは繰り返しめくる内に擦り切れてバラバラになってしまうだろうからと二冊も買ったほどにほれ込みました。
赤鉛筆で線を引くやら、処方の索引を作るやら、サブノートを作るやらして本書を活用して店頭相談に応じていました。

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(あとがきより引用)
 八十三種の古典方書と漢、唐以来編集された七十余種の医方書が引用されている。このように膨大な資料を基に作成された『東医宝鑑』は、許浚の編集力と著述能力の優秀性が高く評価されている。
朝鮮で出版された後、日本と中国に伝えられ、今日に至るまで貴重な漢方臨床医学書としてその地位をたもっている。朝鮮人の著作としてこの書ほど中国、日本人に広く読まれた書はおそらくないだろう。
 『東医宝鑑』の公刊は、朝鮮本国はもとより、日本、そして漢方の〝本家〟中国にも多大な影響を与えてきた。
日本では、一六六二年に江戸幕府が使節団を朝鮮に派遣した折に同書を求めており、それをもとに一七二四年、京都書林より出版され、続いて一七九九年、一九八四年にも本書が刊行されている。

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読むのが遅い方でして、やっと今日下巻まで読了しました。
目が霞んでチョロチョロになっているのに、興奮が消えぬ間に感想を報告したくて書いています。

あとがきを読むとこの本は登場人物なども事件も皆かなり忠実に史実を追っているらしい。
日本語への翻訳や出版などの経緯もドラマチックです。
結書房にとっては最初の出版物になるようで、よくもこんな売れるか売れないか分からないものを取り上げたものです。よっぽどの思い入れがあったに違いありません。

なかでも驚くのは韓国人自らが自国の民衆や官僚の恥ずべき国民性を隠さずに描いている事です。
数知れない逆風の中をホジュンは物凄い執念で切り抜けていきます。
そして息もつかせぬ事件が続き、読者を飽きさせません。

勿論現在でも韓国では『東医宝鑑』は漢方(韓国では東医という)のもっとも信頼すべき正統派の古典です。
現在はほかに有名な四象理論などもあるようで、韓国の漢方はどのようなものになっているのでしょうか。

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