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疎泄が足りないと鬱になる

漢方では「肝は疏泄を主どる」といいます。
“疎泄”の疎とは疎通・通じること、泄とは発散・昇発のことで、併せてのびのびと広がる意味です。だから「肝は条達を喜び、抑鬱を嫌う」ものとして春の生長の気にたとえられます。
肝の疎泄作用が順調だと消化酵素や胆汁の分泌、胃腸の蠕動運動などの代謝・輸送がスムーズにいきます。

この肝が疎泄もせずに鬱結すると、怒り易くなったり鬱になったり、情緒が不安定になります。意識や思考については『心は君主の官、神明出ず』といい“心”の管轄ですが、感情は“肝”が担当するものと考えています。
精神の病気を脳や神経からではなく、五臓から治そうとするのが漢方流のやり方です。

さて肝気が鬱結して疎泄しないのには疎肝解鬱剤の処方をつかいます。もっとも代表的なのが「柴胡疎肝散(さいこそかんさん)」です。
  柴胡・陳皮・枳穀・川弓・白芍・香附子・甘草
(柴胡疎肝散はまだ製品化されていないので煎じ薬でしかありません)

日本では柴胡剤といえば「小柴胡湯(しょうさいことう)」が有名で、これを無闇に肝臓病に用いて間質性肺炎を起こした人が出てニュース騒ぎになりました。きちんと「弁証」という漢方の診断法を守っておればあんな事にはならなかったのです。病名だけで漢方薬を使うものではありません。

“疎泄”とは溜め込まないことなので、疎泄が悪いと鬱病のほかにも便秘・肥満・ニキビ・肝臓病・月経不順・乳腺腫・・・など、溜め込んで流れが止まったために出る病気がいろいろ発生します。その多くのものに柴胡疎肝散は応用することが出来るのです。

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