陽結と陰結
「白朮(ビャクジュツ)の便通作用」
の記事で便秘には“実秘と虚秘があり、実秘は下剤の対象になりますが、虚秘は下剤ではどうにもなりません。”と書きました。
実はひとつ忘れていました。
実秘は更に「陽結」と「陰結」に分けられるという事です。
陽結とは前述の通り“熱が原因で腸内が乾燥して宿便になった「大腸熱燥」”のことで、陰結とは“寒冷”が原因で腸内が乾燥して宿便になる「大腸寒燥」の場合です。
虚秘も多いけれど陰結も同じほどに見かけます。
虚秘タイプは痩せ型や食欲が少ないのが特徴ですが、陰結タイプは体格も良くて食欲もあるけれど冷え性なのが特徴です。
虚秘には白朮の「運脾行津」法によって便秘を解消しますが、陰結は冷気が大便を固めていますから、運脾よりも温化の方が必要になります。
これを「温下法」といい、代表処方に温脾湯(おんぴとう)《備急千金要方》があります。
大黄 附子 乾姜 人参 甘草
黄竜湯《傷寒六書》・温脾湯《備急千金要方》ふたつ合わせて自家薬籠中とされますよう。
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