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胆嚢の手術後の不快感

男 40歳。
3年前に腹腔鏡下胆嚢摘出手術を受けました。以前胆嚢があったところが、痛くはないのですが、重たく、中の内臓がつりそうな感じになり、とても不快で夜もぐっすり寝れません。
お酒を飲んだ次の日がとても苦しく、暫く飲まないと治るという感じでした。
手術当時はよくお酒を飲んでいました。最近はあまりにも調子が悪いので、間が遠くなっています。以前は、飲まない日が1週間くらいあれば症状が軽くなっていったのですが、今は全然軽くなりません。ここ2,3ヶ月、胆嚢があったところが以前よりも調子がひどく悪く、更に手と首筋がしびれてきます。
病院にも通ったのですが、他の臓器には異常がなく、手術の後はどうしてもこのような症状が残る人もあるそうだといっていました。

2004/01
肝鬱化火 (気鬱により肝が疎泄を失すると肝は気実から火を生ずる/肝火証) の証として四逆散加味を投与。
 (柴胡・枳実・白芍・酸棗仁・知母・川弓・茯苓4 甘草2)30g

2004/02 (約50日間飲んで)
以前より調子は良くなりましたが完全ではありません。以前が100悪いとしたら、今は30くらいです。なので、かなり良くなったと思います。が、必ず、お酒を飲んだ次の日は、80くらい悪く戻ります。2,3日たつと良くなり、又お酒を飲むと必ず悪くなります。

2005/01 (約一年間飲んで)
おかげさまで体の調子もこちらの漢方を服用してからかなり改善してきました。まだ、お酒を飲んだ次の日や疲労で疲れた日などちょっと調子が悪くなるときはあります。それでも以前よりは全然調子はいいです。
ところで、かなり調子が良くなってきたので、一日2回飲んでるところを一回に減らしても大丈夫でしょうか?
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悪い病患部を切除してしまったのに不快な症状がいつまでも無くならない、という事は患部以外にもまだ悪いところが残っていたのでしょう。
漢方では“経絡”という気の通路があって、肝経・胆経・三焦経などと他の経絡とも連なりながら縦横に全身に行き渡っています。だから胆嚢を取り去っても経絡は残っており、それと連なる臓器の影響も経絡を伝って現れてきます。
漢方治療は経絡治療でもあります。すなわち局部的な治療に止まらず、全身的な視野での治療になります。これを完成した全体という意味の「整体治療」という言葉でいう場合もあります。
「肝鬱」とは肝経の気の流れが停滞している状態です。肝経の気滞が長引くと、肝の疎泄(*)作用が不十分なため、熱化してきて肝熱または肝火に変化します。胸脇部位に不快な症状を感じたのはこのせいではなかったかと思われます。
そこで選ばれるのが疎肝解鬱剤です。もっとも代表的なのが「柴胡疎肝散」です。
 (柴胡・陳皮・枳穀・川弓・白芍・香附子・甘草)
『傷寒論』の処方では「四逆散」です。これに酸棗仁湯を合わせて「四逆散加味」としたのです。酸棗仁湯は不眠に用いられるので有名ですが、なぜ不眠に効くのかという事を説明した書物は余りありません。肝熱が続くと肝陰を消耗します。陰が虚すると陽が亢じてきます。虚した肝陰を補うのが酸棗仁湯です。それで陰陽のバランスが回復し、肝陽が鎮まり眠れるようになるのです。

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(*)漢方では「肝は疏泄を主どる」といいます。“疎泄”の疎とは疎通・通じること、泄とは発散・昇発のことで、併せてのびのびと広がる意味です。だから「肝は条達を喜び、抑鬱を嫌う」ものとして春の生長の気にたとえられます。肝の疎泄作用が順調だと消化酵素や胆汁の分泌、胃腸の蠕動運動などの代謝・輸送がスムーズにいきます。
“疎泄”とは溜め込まないことなので、この肝が疎泄もせずに鬱結すると、怒り易くなったり鬱になったり、情緒が不安定になります。また鬱病のほかにも便秘・肥満・ニキビ・肝臓病・月経不順・乳腺腫・・・など、溜め込んで流れが止まったために出る病気がいろいろ発生します。その多くのものに疎肝解鬱剤は応用することが出来るのです。

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