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妊娠悪阻(つわり)

つわりの吐き気は食臭などを誘因として突発的に起こり、何も食べていなければ胃液までを吐き、拒食が激しく、それがかなりの期間にわたって継続します。これを漢方ではどのように考えて対処しているでしょうか?

ともかく悪心(はきけ)が強いので、早く“鎮嘔”しようと急ぐ余り、短絡的に半夏剤を与えるという間違いをしやすいのです。ここではもっと原因を掘り下げて考えてみたいと思います。

受胎すると月経が止まり、下血しないので血海は充実して衝脈の気も旺盛になります。
衝脈は陽明に属するので上衝しやすく、上逆すれば陽明の胃気を巻き込んで、本来ならば下降すべき胃気を逆行させて吐き気や嘔吐をもたらすのです。健常な人でもこの影響を受けるのですから、もともと脾胃虚弱な人なら尚更影響は甚大です。

諸逆衝上は皆火に属す”といって、上衝する気は火熱に変わります。すなわち「胃熱」や「肝熱」になり、胃火上昇や肝陽上亢という証候が現れます。

こういうメカニズムによる「つわり」を肝胃不和性悪阻・胃熱妊娠嘔吐・肝熱妊娠嘔吐と認識し、考案されたのが抑肝和胃飲・蘇葉黄連湯・岑連竹茹湯などの類方です。

肝胃不和性悪阻

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