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粘っこい痰が出る

 切れやすい透明な痰を“湿痰”といいます。おもに脾胃の気虚が原因なので「脾虚生痰」と称し、六君子湯や二陳湯や小半夏加茯苓湯などが該当します。
また粘り気がなくて唾や水のような痰涎を“寒痰”といい、肺が寒気にさらされて「外寒が内飲を動かした」と称し、小青竜湯が該当します。よく花粉症にこれを使う人がいますが、水涕と水のような痰涎とを混同しています。花粉症やアレルギー性鼻炎に小青竜湯を使うのは間違いです。

痰にはそのほかに風痰・熱痰・燥痰などに分類されるものがあります。
“湿痰”に次いで見受けられるのは、粘り気が強い“熱痰”です。そしてこれに対する処方が余り無いのが悩みです。
さいわい『中医臨床大全』(北京科学技術出版社1993年) には熱痰に対して次のような処方が紹介されています。

1. 軽症 : 清気化痰丸(胆星・瓜楼・陳皮・半夏・茯苓・甘草・黄岑・杏仁・枳実)
2. 中症 : 青黛丸(貝母・瓜楼瓢・黄岑・青黛・香附・橘紅)
3. 重症 : 化痰丸(海粉・瓜楼・黄岑・連翹・青黛・天冬・香附・陳皮・桔梗・芒硝)

最近、この中の清気化痰丸を使って良い結果を得た経験があります。
 50代の痩せ方の女性、朝方に切れにくい黄色の痰が出る。舌には白苔、灰色。夜寝る時に咽の痰が気になり寝にくい。また痰のため息がしにくく、勢いよく鼻がかめなかったり、思い切って息を吸い込めなかったりする。
はじめは貝母瓜呂散(貝母・瓜呂仁・瓜呂根・茯苓・陳皮・桔梗)を使ったけれども一向に良くならない。そこで今度は清気化痰丸を使ってみたら大変良く効いて3日で黄色い痰が減り、10日で眠れるようになった。更に30日間飲んですっかり体調を改善した。

ぜひ他の方にも清気化痰丸を試してもらいたい。胆星とは牛の胆汁に浸して天南星の持つ熱性を寒性にしたもの、瓜楼には瓜呂仁を使いました。

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