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アフター性口内炎

2006/08/01 46歳、中肉の男性。20数年間も続いているアフター性口内炎。
妻が語るには夫は結婚してからずーっと年がら年中アフターが出っ放しだとのこと。本人はもう出るのが当たり前とばかり諦めきっていた。ある日、妻女が誤って自分の舌を噛んで余りの痛さに、ふと夫は毎日このような痛さを我慢しているのだろうかと気がつき、なにか治療法がないものかと代理で当店を訪ねてきたのでした。本人が来ないとダメだと云うと、すぐに再び夫を連れて現れた。

喋ると舌が触れて痛いので口数が少ない。見ると内唇には今も潰瘍があり、白苔は厚く歯痕もある。冬などの寒い時期に悪化しやすく、粘っこい唾液が出て口臭が強い。また手足には汗をべったりとかき、あくびがよく出る。検診で腸にポリープが11個もあると分かった。便通は正常。

『浙江中医薬雑誌』(1980;11:12  合刊 55 )に口腔粘膜潰瘍の治験例の報告があり、舌が心・脾の病変を現すことからアフターを「心火と脾湿の搏結」と弁証しています。使っている処方は半夏瀉心湯です。
 (半夏・大棗4 干姜・黄連2 党参・甘草3)18

この患者さんも白苔の厚い舌証から「心脾湿熱」の証と判断して半夏瀉心湯を使ってもらいました。
横隔膜を境にして上熱下寒という分離が起こっているのを漢方では“心下痞”と診断します。風呂をわかす時お湯をかき混ぜないと上熱下寒の状態になります。今あなたはこれと同じ状態だから上ではアフター性口内炎が出て、下ではポリープが出来るのだと云うと納得したようです。

10日分づつ試してもらうことにしましたところ、きちんと10日毎に来店されます。
20日分を飲み終えると大分楽になり、アフターが出来ても広がらないようになった。今は舌に出ている。しかし苔はまだまっ白い。この舌苔が減らなければダメですね。
70日を過ぎて今もアフターは出ているが痛くない。それよりもほかの変化が起こり面食らっているという。
今までは手足が冷たくて汗ばんでいたが今は手足が熱くなり、乾いている。手足を布団から出せなかったのが出せるようになった。これは一体いい事なのか悪い事なのか不安感もあるという。そりゃーいいに決まっていますよ、と私は密かに得意でなりません。今までは寒くなるとよく出たので、これからの季節がどうなるか本人はもう少し不安です。

更に90日が過ぎると季節は11月に入り肌寒くなりました。今日も煎じ薬を取りに来られて、「いま出ていません」と嬉しそうに云っていました。

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