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眉稜骨痛 (前額部の痛み)

脾虚湿熱証 『臨証実験録』より

聶某,男,33歳,農民。
六日前から右側の眉稜骨が痛む。それも午前8~12時がもっとも激しい。
痛みが劇しい時は手で眉額部を押さえて我慢するが、座っても臥しても痛みは変わらない。
午后になると痛みは次第に緩減する。毎日きちんと決まったように繰り返す。
また倦怠乏力のため一寸動くとすぐ汗が出る。
食欲も二便も普通にあるが、口干と口苦があり、水を飲みたくはない。
眉額部と太陽穴・印堂穴の辺りは赤くもないし腫れてもいない。
舌は淡紅色で舌苔は黄膩。脈象は沈細。眉骨を触按しても圧痛感はない。

脈症分析: 眉稜骨は足陽明胃経の循るところ、陽明湿熱の気が上蒸するので熱痛するのであろう。
然し陽明が旺するのは申酉の刻(15時~17時)である。
どうして巳の刻(9時~11時)に痛むのか?
倦怠と汗出および脈象の沈細を考えると中気が元来虚しているのが分る。
午前は陽に属し、気が盛んになる筈なのに、陽気が虚弱なため午前に痛むのであろう。
《張氏医通》に謂く、眉稜骨痛は虚実に分けられる。 “虚の痛みは天明時に発し、実の痛みは昼は静かで夜に劇しい。”

是れよりして本案は中気不足・湿濁上逆とみなされる。
治法は補中健脾・清熱利湿が良い。
東垣の制した調中益気湯が正に本証に適する。

黄耆・白朮5 茯苓・半夏・茵陳蒿・白止・竜胆草3 柴胡・升麻2  三剤

二診: いくらか疼痛が消えたので原方を更に三剤飲ませた。

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