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《傷寒論》の"六経"とは?

漢方の古典《傷寒論》を読んでいて、いつも気になっていたのは「太陽病・陽明病・少陽病・太陰病・少陰病・厥陰病」と云われている六経病は、“経絡の病気”なのか、経絡とは無関係の“病気の部位的な流れ”なのか、それとも経絡と部位を兼ねた病気の認識法なのか、という疑問でした。

このたびネット上で出会った記事からそれを思い出して、繰り返し論議すべき問題だと思いました。

三部六病 
《三部六病》学説とは山西の著名な老中医 劉紹武先生が創立した医学理論である。
《三部六病》とは人体を三个の部分に分劃する:即ち表部、中部(半表半裏部)、裏部で,"三部"と簡称する;
毎部に存在する病症は,更に陽(実、熱)と陰(虚、寒)の病性によって分けられ六類の証候群となるので,"六病"と簡称する。これが《三部六病》学説と名づける由来である。

《傷寒論》の"六経"は"六病"と称すべし
"経"と"病"の概念には本質的な区別がある:
六経とは生理的なものであり,其の循行には固定的路線がある,无病であっても,其の存在は依然としてある;《傷寒論》の"六病"は病理的なものであり,人為的に劃分した証候類型である,无病ならば"六病"もまた存在しない。
経絡とは无論外では体表にあり或いは内では臓腑にありて線段的なものであり,其の病象はただ其の循行部位及び其の所絡の臓腑にのみ出現する;

而るに"六病"が現われるのは常に全身的である。
経絡の陰陽は人体の組織結構の属性を以って説明され,臓腑の不同及び経絡が循環する体表部位の区別によって決定される;而るに"六病"の陰陽は疾病の属性によって説明され,病勢、病位、病体により決定され,表里寒熱虚実的な内容をも包括する。"経"と"病"は本質的に絶対に異なる両種の概念である。

『中医伝統流派の系譜』 (黄煌 著・東洋学術出版社 2000年) には亦次の様な解説がある。

六経を六経絡の病気として認識した通俗傷寒派について、

通俗傷寒派とは、外感熱病を研究する伝統流派の一つであり、北宋時代に成立し、明清両年間に大きく発展した。学術面では、この流派は伝統の遵守を主張し、『傷寒論』を基礎として歴代医学者の臨床経験を吸収し、外感熱病の弁証論治体系を構築した。
この流派の学術的見解が通俗的で、臨床に則したものであったことから、歴史上大きな影響を与えた。その代表的人物には、宋代の朱肱(『類証活人書』)・明代の陶華(『傷寒六書』)・張景岳(『傷寒典』)・清代の兪根初(『通俗傷寒論』)・呉貞(『傷寒指掌』)・章虚谷(『傷寒論本旨』) などがいる。

朱肱は、六経とは六本の経絡であると考え、邪気が六経のどこにあるかを鑑別する方法を、つぎのように説明している。
足太陽が病めば、発熱・悪寒・頭頂部痛・腰脊のこわばりがあり、尺寸脈がともに浮になる。
足陽明が病めば、発熱・目の痛み・鼻の乾きがあり、横になれず、尺寸脈が長になる。
足少陽が病めば、胸脇痛・耳聾・口苦・舌乾・往来寒熱・嘔吐があり、尺寸脈ともに強となる。
足太陰が病めば、腹痛・咽の乾きがあり、手足が温かく、自利して口渇がなく、腹満してときどき痛む。尺寸脈はともに沈細である。
足少陰が病めば、尺寸脈が沈で、口や舌が乾燥して口渇があり、あるいは口は正常で悪寒がある。
足厥陰が病めば、煩満して陰嚢が縮み、尺寸脈ともに微緩である。

一方、六経を経絡とは無関係な六病として認識した人達もいた。

方有執は、宋代の傷寒学者、朱肱の唱えた「六経経絡説」を否定し、六経とは六本の経絡ではなく、人体における六つの階層であり、六つの領域であると主張している。つまり太陽は皮膚を統括し、陽明は肌肉を統括し、少陽は半表半裏、つまり体内のうち臓腑の外側を統括する。また三陰は臓を統括し、太陰は脾を、少陰は腎を、厥陰は肝を統括する。

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