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活絡効霊丹の応用5

活絡効霊丹治痺証験案
作者:王宜昌,黄雪玲, 宜春医専学報
出版日期: 1998年3月30日

1腰椎増生症
李××,女,55歳,会計。1997年1月10日初診。
患者は十余年も腰痛がある。いつも労累や久坐ですぐに起こる,CT検査診断では“第3-4腰椎増生”。

診見:腰痛は錐で刺されるよう,痛みの箇処は決まっている,仰俯転側ができない,下肢は酸脹する,食欲はある,二便は正常.舌は淡紅で辺に淤斑あり,苔は薄白,脈は細弦。

証は気滞血淤,肝腎不足に属する。
治には活血通絡,補益肝腎を。
活絡効霊丹加味:当帰、丹参、桑寄生各15,制乳香、制没薬、川続断、杜仲各12,繭絲子10,全蝎6,甘草3g。

服薬5剤で患者はすぐに腰痛が軽減した事を感じた。
薬は已に病に的中したが,上方に威霊仙12,肉従蓉10を加えて継続した。共服すること10剤で,腰痛は消失した。

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活絡効霊丹の応用4

加味効霊丹
作者:蘇州市中医医院 朱文明, 中医薬信息
出版日期: 1998年5月10日

1頭痛効霊丹 主治 正、偏頭痛,久しく愈えず,痛みは錐刺の如し,或いは頭部に外傷史有り,舌質は淡紫 或いは淤斑あり,脈は細弦 或いは細渋。
薬物:川弓、白止、当帰、丹参、生乳香、生没薬各10g,煎服。

病案挙例 張××,女,45歳。
何年も頭痛が続いている,眩暈昏脹を伴い,痛み激しく錘を刺すよう,悪心して吐きそうになる,舌は紫,苔は薄黄,脈は細弦(西医診断:血管性神経性頭痛)。

治法:去風透竅,活血通絡。
処方:川弓、白止、桃仁、赤芍、当帰各10,丹参15,生乳香、生没薬各5,生姜3片,老葱3支,口服麝香0.015g,
服薬5剤で,疼痛は緩解した。
原方から麝香を去り,続服7剤后,頭痛は起こらなくなった,継いで養血去風,柔益肝腎法にて,調理善后した。

按:久痛による淤阻では,必ず気血を損し,上部の脳を栄養しなくなり,悪循環となる,頭痛効霊丹は去風通絡,養血滅風をなし,通竅活血湯と合さり活血化淤を強める,其の中の葱、麝香は通陽透竅するので,効果が速く出た。

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アトピー性皮膚炎

2007/10/08
女性、30歳。アトピー が背中~肩~胸~脇の下へかけて広がり、皮膚が硬化しはじめ褐色になっている。
夜間は痒くて寝られない。舌に異常なく、やや紫の部分がある。
疲れやすく眠い、かなりの冷え性。汗は殆どかかない。口乾なし。

アトピーの人の舌証はたいてい虚証を呈している事が多い。
この方も慢性期に当たり「脾虚湿困」の証と思われたので二診の健脾利湿法をとることにした。
一週間分を試しに持っていく。

処方: (黄耆・蒼朮・茵陳蒿・沢瀉・車前子・大青葉・金銀花2 滑石2.5 甘草0.5 白蘚皮・意苡仁・地膚子3)26g

2007/10/14
症状に変化なし。味は割りと飲みやすい。

2007/10/27
夫が代理で取りに来る。30日分を渡す。

2007/11/25
本人が取りに来たので聞いてみると、顔も胸も皮膚の色が白くなり、痒みもなくなり軽快しているのがよく分るとのこと。30日分を渡す。

これを聞いて「アー、本当に効いたんだ! 処方に偽りはなかったんだ。」と我ながら感激した。

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活絡効霊丹の応用3

作者:劉咏華, 遼寧中医学院学報
出版日期: 1999年6月28日

1 坐骨神経痛
陳某,女,46歳。1997年11月12日就診。
右下肢の后外側に持続性の疼痛が1年余続いており,この2个月は特にひどい。
坐骨神経に沿って放射性の針刺様疼痛があり,動くと痛みが増す,睡眠はとれず,口干あり,飲食と二便は正常,舌は紫暗,苔は白厚膩,脈は細滑。
此れは湿淤阻滞,気血の運行が不暢で,不通なれば則ち痛む、の病理である。
化湿行淤,温経通絡を図るべきである。
 活絡効霊丹加味。

薬用:当帰、丹参、乳香、没薬各15,独活、秦[艸/九]、威霊仙、川牛膝各12,杜仲、川断各15,細辛3,桂枝6g

6剤薬后,右側の腿疼は大いに減り,睡眠も佳くなり,口は干かなくなった,
上方を加減して,服すること二十余剤で,疼痛は消失し,活動は自由になった。

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活絡効霊丹の応用2

作者:徐建華, 河南中医
出版日期: 2004年4月10日
この度 婦女の心胃痛の証治で得る所があったので報告します。

例1:関某,50代の婦人,
突然心口が攻痛して我慢が出来ないほどの痛みに苦しみ入院して透視してもらったが、診断が確定しなかった。
査:患者の面容は憔悴し,心情は抑鬱されて苦悶している,脈は沈弦。
触診では腹肌が緊張し,圧痛が明顕である,特に臍上から剣突下までが著しく,腫物には触れない。
心胃気痛証と考えられる。
張氏は曽つて活絡効霊丹は“凉、熱、気鬱、血鬱の原因を問わず” 心腹諸痛に皆効くといっている。
そこで活絡効霊丹合“丹参飲子” とした。

処方:丹参30 g ,当帰1 5 g,乳香・没薬・香附6 g,砂仁5 g ,檀香3g(后下) ,山奈3g,莱[艸/服]子・甘草1 2 g

1剤で痛みが減り,2剤で痛みが止り,3剤で痊愈した。

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活絡効霊丹の応用1

活絡効霊丹の応用例  作者:黄存垣,楊君柳, 江西中医薬 : 2003年3月25日

活絡効霊丹は張錫鈍(1860-1933)の《医学衷中参西録》中に出てくる処方で、気血凝滞による心腹疼痛、腿疼臂疼、跌打淤腫、内外瘡瘍及び[病<暇-日-丙]積聚等を治すものです。

活絡効霊丹 当帰・丹参・乳香・没薬

1 坐骨神経痛
肖某某 ,男 ,1993年 4月初診。
左側の臀部が疼痛して 1个余月になる ,痛い時は左足の小腿に牽引し ,足跟も亦痛む ,行歩すれば加劇する。
飲食、二便は正常 ,脈弦 ,舌質はやや暗紅。

処方 :桑寄生20 ,全当帰・川牛膝・丹参15 ,川断12 ,生乳香・生没薬・陳皮・木瓜・大伸筋・五加皮10

上方 4剤 を服すと,症状は減軽した ,再服して 10剤に至ると ,症状は大いに減った。
原方に金毛狗脊 2 0g を加えて,再服すること 10剤 ,これで痊愈した。

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火2

" 陰虚火盛なら, 壮水にて治し, 陽虚発熱なら, 益火にて治す。" 明・張介賓《景嶽全書・雑証謨・火》

按: これは皆内火を指す, 内火が生ずるのは陰虚か, または陽虚による。
陰が虚せば火旺となる, 下焦の相火が妄動する, 此の火が生ずるのは肺腎両虚による。

陽虚でも火を生ずる, 此の火は陰盛陽衰, 陽虚不納で生ずる无焔の火である,
此の火は无根ゆえ, 虚陽であり陰寒が作ったものである。

其の証には三つある,
一は下が陰盛で, 陽を上に押し上げた, 戴陽証;
二は内が陰盛で; 陽を外に浮上させた, 陰盛格陽証,
三は中気不足で陽が陥下した中寒下熱で, 二便は反って短渋する.

治法は, 陰虚者には.滋陰降火, 壮水制火を,
陽虚者には, 納気帰元, 温陽去寒, 火を補って火を治す。

         『歴代臨床格言選萃』 天津科学技術出版社 1987

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火1

" 人火は正治して, 竜火は反治する。人火は凉平し, 竜火は火で逐いはらう。" 元・朱丹渓《丹渓手鏡・喉痺》

按: 両者はみな内火の治法である。
人火とは, 即ち心火, 上焦の火で, 多くは実火であるから, 実火を治すには正治法を用いる。
即ち治熱には凉を, 治火には寒を用い,直接に其の火を清し, 其の熱を平らにする。

竜火は又竜雷の火とも称し, 離位の火で, 陰火とも称する。
陰火を治すには反治法を用いる。
即ち火で火を治すか, 或いは補気升陽するか, 或いは納気帰元する。
薬用には甘温か或いは辛熱を用いる。
何故なら不足の火に属するので, 其の不足を補えば,則ち火は自ら帰宅する。
たとえば補中益気湯の甘温除熱, 桂附八昧丸の引火帰元は.皆これら反治法に属する。

         『歴代臨床格言選萃』 天津科学技術出版社 1987

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開張邪路 (邪の出口を開く)

 有毒植物で山野・路傍などに自生する仙人草という蔓草があります。この葉をもんで汁を手首につけると翌日、大きな水ぶくれが出来ます。針で突いて中の水を抜き傷跡の癒えるのを待つとリュウマチの腫脹などに良いという治療法があります。
 また彼岸花の鱗茎とヒマシ(唐胡麻・とうごま)を一緒にすり下ろして、足の裏に塗布して肝硬変の腹水やネフローゼの水腫を治すという治療法があります。
このような民間療法にはどんな意味があるのだろうか? と常々思っていたところでしたが、その答えになるかも知れない開張邪路という概念があることを知りました。

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開張邪路 (邪の出口を開く)

「実邪を出口から放出して治す」というのは中医治病の経験則の宝である。
例えば発汗、涌吐、瀉下、点刺放血などの諸法は《内経・陰陽応象大論》(1)や 《霊枢・厥病》(2)の中で述べられている。

(1) 厥頭痛、頭脈痛、心悲善泣, 視頭動脈反盛者, 刺尽去血⋯⋯ ," 血実者決之"
(2) 中暑昏厥刺委中穴放血

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