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認知症と漢方2

最近私の店へ回って来た処方に、認知症に 抑肝散加陳皮半夏 のエキス剤を用いるものがありました。
調べてみますと日本の医学界ではレビー小体型 認知症(幻覚を見るタイプ) や一般の脳血管性痴呆・アルツハイマー型痴呆にこの製剤が有効だという報告がなされているようです。
認知症に対する漢方応用の変遷を見ますと最初は 当帰芍薬散 でした。次が 釣藤散 で今度が 抑肝散加陳皮半夏 というわけです。スクリーニングという手法と既製剤を用いるという制約下では仕方の無いことですが、これらの三者の漢方薬には何の共通性もありませんで、まぐれ当たりという感じです。
論理的な思考がない訳ではありませんが、あってもそれは現代的な思考であり、漢方的な思考法ではありません。

昨夜もNHKのテレビで「認知症医療を問う」という番組が放送されていて色々と考えさせられました。なかでもアリセプトという薬物がアルツハイマー病の進行を遅らせる唯一の方法だという事に注目しました。これは神経細胞が死ぬのを防ぐ原因治療ではなく対症治療に過ぎませんが、それでも大きな進歩です。

一方 中医学ではどのように考えることが出きるだろうか?
以前「認知症と漢方」をアップロードしたことがあります。
それには“怪病に痰多し”を引用し、「痰が神明(意識)を阻蔽し、精神異常のような症候になる」には根本原因に 若年期の肝・脾の生理があり、老年期に及べば腎も絡んでくると示唆しました。

肝の生理については以前に「疎泄が足りないと鬱になる」をアップロードしました、参考になれば。

具体的な治療となれば、認知症 (痴呆症) ・・・「証」の決定 から
【1.2】去邪論治のなかの滌痰化淤や理気化痰や補腎活血化痰などの方法論になります。この中には はからずも 抑肝散加陳皮半夏 や 釣藤散 に含まれる半夏や釣藤鈎が含まれています。
これからも漢方をヒントにしたければ、黄氏〔10〕 張氏〔14〕 章氏〔2〕 余氏〔15〕 戴氏〔16〕の報告などから学ばなければならないと思います。

また『中医臨床』v28-4 を読んでいましたら“痰”の治療について次の様な説明がありました。

痰の治療はへばりついたヘドロを剥がし取るさらに強い流れを作り出す必要があります。すなわち湿邪の治療以上に強力な行気が必要だ。ドブ掃除のイメージです。経絡中の痰は湿邪より深いところに存在することが多い。本流の経脈から支流である絡脈に入り込んでいるという感じです。支流は本流より細いですからいったん入り込んでしまうと取り除くことは容易ではありません。強めの瀉法で 形成された痰を動かすことが優先課題です。(益田 尚)

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