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生理痛と鼻水

30代の女性
生理が始まった頃から生理痛が毎回ひどく、20代に病院でホルモン治療を行いましたが効果が見られませんでした。
30代には子宮筋腫ができ、内膜症もありレーザーで焼きましたが相変わらず生理痛があり鎮痛剤を数日服用しなければなりません。
またアレルギー性鼻炎もあり、小青竜湯を服用すれば効き目はすぐに現れ鼻水は止まります。

子宮筋腫にと何年も加味逍遙散を飲んでいますが余り効き目が感じられません。
この度インターネットで調べたところ、小青竜湯と加味逍遙散の二つの飲みあわせは良くないと有りましたがいかがなものでしょうか。

その他の身体状況: 口は乾かない 痰は無い さめ肌 月経量が多過ぎる 血の塊が混じる
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> 小青竜湯を服用すれば効き目はすぐに現れ鼻水は止まります。
> 子宮筋腫にと何年も加味逍遙散を飲んでいますが余り効き目が感じられません。

小青竜湯は温める処方です。
これで鼻水が止まるのは内外に冷えがある場合です。

> 相変わらず生理痛があり鎮痛剤を数日服用しなければなりません。

生理痛が強いのは冷えによる場合が多いものです。
小青竜湯が適している体質なら寒飲が内在している事でしょう。

小青竜湯は温剤であり、加味逍遙散は寒剤ですから両者は相反する作用になります。
これではダメですから温める方法に統一してはどうですか。

寒滞肝経 (外寒が肝経に留滞する場合) の証に該当します。
次のホームページを参照して下さい。

※ ホームページのメール相談例「生理痛/頭痛/冷え性」「生理痛」の例が出ていま
すので参考にして下さい。あなたのケースとメカニズムが似ています。

おすすめの漢方処方

(1) 温経湯(うんけいとう)・・・・・・・・・・(煎じ薬)
 (呉茱萸・当帰・川弓・白芍・人参・桂枝・阿膠・牡丹皮・生姜・半夏・麦門冬・甘草)

これできっと小青竜湯を飲まなくても鼻水は止まり、生理痛も改善するでしょう。

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認知症と漢方2

最近私の店へ回って来た処方に、認知症に 抑肝散加陳皮半夏 のエキス剤を用いるものがありました。
調べてみますと日本の医学界ではレビー小体型 認知症(幻覚を見るタイプ) や一般の脳血管性痴呆・アルツハイマー型痴呆にこの製剤が有効だという報告がなされているようです。
認知症に対する漢方応用の変遷を見ますと最初は 当帰芍薬散 でした。次が 釣藤散 で今度が 抑肝散加陳皮半夏 というわけです。スクリーニングという手法と既製剤を用いるという制約下では仕方の無いことですが、これらの三者の漢方薬には何の共通性もありませんで、まぐれ当たりという感じです。
論理的な思考がない訳ではありませんが、あってもそれは現代的な思考であり、漢方的な思考法ではありません。

昨夜もNHKのテレビで「認知症医療を問う」という番組が放送されていて色々と考えさせられました。なかでもアリセプトという薬物がアルツハイマー病の進行を遅らせる唯一の方法だという事に注目しました。これは神経細胞が死ぬのを防ぐ原因治療ではなく対症治療に過ぎませんが、それでも大きな進歩です。

一方 中医学ではどのように考えることが出きるだろうか?
以前「認知症と漢方」をアップロードしたことがあります。
それには“怪病に痰多し”を引用し、「痰が神明(意識)を阻蔽し、精神異常のような症候になる」には根本原因に 若年期の肝・脾の生理があり、老年期に及べば腎も絡んでくると示唆しました。

肝の生理については以前に「疎泄が足りないと鬱になる」をアップロードしました、参考になれば。

具体的な治療となれば、認知症 (痴呆症) ・・・「証」の決定 から
【1.2】去邪論治のなかの滌痰化淤や理気化痰や補腎活血化痰などの方法論になります。この中には はからずも 抑肝散加陳皮半夏 や 釣藤散 に含まれる半夏や釣藤鈎が含まれています。
これからも漢方をヒントにしたければ、黄氏〔10〕 張氏〔14〕 章氏〔2〕 余氏〔15〕 戴氏〔16〕の報告などから学ばなければならないと思います。

また『中医臨床』v28-4 を読んでいましたら“痰”の治療について次の様な説明がありました。

痰の治療はへばりついたヘドロを剥がし取るさらに強い流れを作り出す必要があります。すなわち湿邪の治療以上に強力な行気が必要だ。ドブ掃除のイメージです。経絡中の痰は湿邪より深いところに存在することが多い。本流の経脈から支流である絡脈に入り込んでいるという感じです。支流は本流より細いですからいったん入り込んでしまうと取り除くことは容易ではありません。強めの瀉法で 形成された痰を動かすことが優先課題です。(益田 尚)

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円形脱毛と耳の閉塞感

30代、やや肥満の女性
もっとも治して欲しいこと: 一番目・・・多発性円形脱毛 4カ月前ぐらいから頭頂部、生え際あたりに小さな円形脱毛
 二番目 耳の閉塞感・・・8か月前ぐらいから約1か月、耳の閉塞感 耳鳴りではなく、こもった感じで、音が大きく聞こえ、不快。
約9年前に一度血液検査で、抗核抗体が40倍と正常値よりも少し高めと言われたことあり。

> 多発性円形脱毛 頭頂部、生え際あたりに小さな円形脱毛を見つけ

髪は血余なり」といい、血が足りないと白髪や脱毛になります。
女性には血虚が多いので、女性に多い症状です。
(男性の場合は反対に湿熱が多くなり、フケや脱毛になります。)

ただの脱毛でなく円形脱毛(漢方では油風という)というのは血虚に風がからんで血虚生風の症です。
風にはむらがあり乾燥を促進するので「風盛血燥」といって、血虚よりもひどい肌膚失養となります。

> 約9年前に一度血液検査で、抗核抗体が40倍と正常値よりも少し高めと言われたことあり。

これは自己免疫疾患になる危険性があるという意味ですが、血虚生風と関連があるのではないかと思います。

> 耳の閉塞感 耳鳴りではなく、こもった感じで、音が大きく聞こえ、不快。

耳管開放症ではないかと思いますが、漢方では耳脹悶は清気不昇により耳が濡養されないためと説明します。
すなわち清気という正常な気が耳へと昇ってこないと湿濁が停滞しやすくなり、耳脉が阻塞されて耳脹悶となるのです。
そしてこの清気とは脾気が虚弱になると発生しなくなるのです。

結論、円形脱毛と耳脹悶の両方があるという事から血虚と気虚の両虚、即ち気血両虚証になります。

気血両虚 (脾肺の気および心肝の血の両方が虚す) の証に該当します。

※ ホームページのメール相談例「円形脱毛症/失臭」「自分の声が耳に響く」の例が出ていますので参考にして下さい。あなたのケースとメカニズムが似ています。

おすすめの漢方処方

(1) 加味養血生髪湯<趙炳南> (かみようけつせいはつとう)・・・・・・・・・・(煎じ薬)
 (黄耆8 生地・熟地・鶏血藤・夜交藤・桑椹子・白芍4 川弓・旱蓮草2 天麻・木瓜1)38

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多汗症

やや肥満の40代女性

もっとも治して欲しいこと:一番目・・・特に頭・顔・首からの異常な量の汗  少し動いただけで、頭・顔・首から滝のように流れ落ちます。
と同時に顔が真っ赤、のぼせたようになり、大変困っております。銭湯での入浴後、運動中もです。子供の頃から汗かきでした。年々ひどくなってきました。
二番目・・・肥満。
三番目・・・こぶらがえり 足の裏がほてる。寝ている時、運転中に足指先、ふくらはぎ頻繁に起こる。
  尿量が少なく、回数も少ないのではと思う。食べてもすぐ腹が減る。
若い頃は皮膚・頭皮がかゆい、フケ性、顔中にものすごいにきびで通院治療したことあり、月経過多だった。

> 特に頭・顔・首からの異常な量の汗
> と同時に顔が真っ赤、のぼせたようになり困っております。
> 尿量が少なく、回数も少ないのではと思う。

多汗は湿熱が体内から溢れ出る症状のひとつです。
なかでも肝胆経は湿熱がこもりやすいので「肝胆湿熱」という証候に属します。
尿量が少なく顔が真っ赤にのぼせるのも、足の裏がほてるのも湿熱の外症です。

> こぶらがえり 足の裏がほてる

下肢の筋肉は肝経と関連があり、こぶらがえりも湿熱により経気が阻まれるためと思われます。

> 食べてもすぐ腹が減る

湿熱の肝火に当たり、これがあるとカロリーを消費するので空腹になります。
肝火が減れば空腹感はなくなりますが、一方で湿があるため肥満傾向になります。
痩せるためには湿熱ともに解消しなければなりません。

> かゆい(若い頃) フケ性(若い頃)
> 若い頃、顔中にものすごい「にきび」で通院治療

フケやにきびは湿熱外欝です。

> 若い頃は月経過多

湿熱下注です。すべてに「湿熱」がからんでいます。

肝胆湿熱 (肝の疎泄作用と胆の消化機能が平衡を失し湿熱がたまる)
湿熱下注 (湿熱が欝滞して膀胱の気化や大腸の伝導機能が妨げられる場合) の証に該当します。

※ メール相談例「多汗症/月経過多」「月経過多/肥満」の例が出ていますので参考にして下さい。
あなたのケースとメカニズムが似ています。


おすすめの漢方処方

(1) 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
  (沢瀉・木通・車前子・生地4 当帰・柴胡・黄岑・山梔子3 甘草・竜胆2)32

参照: 「柴胡のない竜胆瀉肝湯な~んて

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漢方メール相談について

私のHPを見て漢方の相談メールを出される方には必ず「漢方相談表」に年齢と生年月日を書いてもらっています。なぜ生年月日まで要るのかと疑問に思われるかもしれませんので説明します。

メールによる相談は本人との対面がないので情報が不足しています。特にインスピレーションのような直感がありません。そこで少しでもそれに近づきたくて生年月日を提出していただきます。
これによって私は質問者の九星(占いの一種)を知ることができます。長年の経験から九星によってその人の体質を垣間見ることができるのです。
更に身長と体重も記入してもらいます。女性などはこれを省略する場合がありますが、漢方診断では大切な情報なのです。恥ずかしがらずに書いてほしいものです。

世間では「漢方相談は直接本人と会わなければ正しい診断は出来ない」と云われていますが、そんなことはありません。
問診表が完備して、生年月日と身長体重があればかなりの所まで診断が出来ます。
問診表には病名のほかに詳しく症状を自分なりの言葉で表現してください。「自分なりの言葉」はインスピレーション(直感)にも勝る確かな情報になります。(相談は無料です)

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漢方調剤手数料は安過ぎる

最近は慢性病患者の通院回数を減らすために長期の処方が増えてきて以前のような14日分の処方せんが殆ど来なくなった。
昨日受け入れた院外処方の漢方調剤はなんと56日分だった。
決まりでは調剤手数料は何日分であろうとも一律1900円也である。
粉まみれ、場所食い、手間がかりでやっと稼ぎが1900円とは‥‥‥とほほ。

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