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食滞 (食積)

正月明けて、やはり過食の症状を訴えるお客があった。
体格のいい中年の男性。
食後グズグズと腹が痛み、便意を催して大便をするが硬い時が多く、出残る感じがして気持ち悪い。

この客はかねてから胃もたれがするといって、よく保和丸を持っていく事があった。
正月休みに体を動かすことも少なく、食べてばかりいたのではないかと思われる。舌の状態は別段変わった事もない。

食後の腹痛と大便が硬い、残便感(大便不爽)がある、という事から食事に関係がある事は想像できる。
漢方では飲食が積滞するのを「食積」といい、消化や運化を促進して体外へ排泄する消導法を採用する。

枳実導滞丸という処方があり、《内外傷辨惑論》には湿熱の物に傷(やぶ)れ,運化できず,痞満・悶乱するのを治す”とあります。

正月の料理と酒が本人の消化力を超えていたので「湿熱積滞」となって痞満脹痛・大便秘結・出ても出残る“裏急后重”になったのであろう。

そこで、『中医症状鑑別診断学』から枳実導滞丸加減を引用することにした。

(白朮・茯苓5 枳実・沢瀉4 神曲・連翹3 木香・砂仁2 大黄0.5)28.5g

一週間分を持って行き、また一週間後に来店して、大分良くなったが念の為もう一週間分欲しいという。やれやれ薬が合ったようで一安心。

日本では馴染みのない処方ですが、こういう気滞・食滞である急慢性の胃腸炎にはピッタリの処方ではないかと思います。

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