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怒りっぽいとは

『中医症状鑑別診断学(2版)』の“善怒”の項目には
「肝鬱気滞すれば善く怒る。それを解消するには“疏肝理気”を為さねばならず、達鬱湯か解怒平肝湯や柴胡疏肝散加減の類を用いる。」と書かれている。

ここまでは納得いくが、胡来元の辨証録選要によれば更に突っ込んだ説明がある。

「気にくわない事があると怒りで胸が塞がるのは、肝気が鬱逆するからだ。」と云うことは皆の知るところであるが、実は「肝血が足りない」からでもあるのだ。
肝経は怒りに因って病むものだが、若し肝血が少ないと、たいして怒るほどの事でなくとも大いに怒り、たいして悩むほどの事でなくともひどく悩む事になる。

何故なら肝血が少ないと「肝燥」になり、肝燥になると気逆になりやすいからだ。

同じ気悩症にも虚実はある。
しかし実とは「火実」の事で「血実」の事ではない。
また虚とは「血虚」の事で「火虚」の事ではない。
つまりどちらも血虚であって、違いは火勢の強弱だけである。

処方には解怒補肝湯を用いる。

 白芍(一両) 当帰(五銭) 沢瀉(一銭) 柴胡(一銭) 荊芥(一銭) 甘草(一銭)枳殻(三分) 丹皮(三銭) 天花粉(二銭)

 水煎服。一剤で気は平らかとなる。連服数剤すれば自然に怒らなくなる。

此の処方は全て平肝薬ばかりで、瀉肝の品ではない。
肝は補を得れば血を生ずる。
鬱は血を得れば散り易い。
肝気が鬱しなければ、悩怒は生じない。

このほか証候によっては加味帰芍湯、潤肝湯、萸芍熟地湯などを用いる場合もある。

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花粉症か? or ただの鼻風邪か?

表日本と裏日本では気候が大変異なります。
私の居る北陸地方は湿度が高く、雪も降ります。
スギ花粉が飛んでも左程拡散はしません。
だから鼻水が出てもそれが花粉症なのか、それともただの鼻風邪なのか判断に苦しみます。
私としては圧倒的に鼻風邪であろうと思っています。
何故なら殆ど目の痒みは訴えなく、鼻水とクシャミだけだからです。

それならば病院で行っているアレルギー検査をしてみれば分るじゃないかと仰るかも知れませんが、人の感覚判断を使わないで検査ばかりに頼りるのもどうかと思うのです。
老人のインフルエンザでは殆ど発熱しない場合があり、風邪と見まがうのですが、それでも検査してウィルスが見つかると即インフルエンザと断定しますね。
これなどはインフルエンザというよりも、やはり風邪と見なした方がより実態に近いのではないかと思うのです。

先だっても花粉症だといって薬を求めてくるお客さんがありました。
聞けばやはり鼻水とクシャミだけです。
花粉症という言葉には逆らわず、肺気虚寒とみて「温肺止流丹」を紹介しました。

(魚脳石・桔梗・訶子・人参・荊芥4 甘草・細辛2)24

(小青竜湯や麻黄附子細辛湯とは一味違う構成です)

5日後にまた来て曰く、「あの薬は高いけれど よく効くねー! ピタリと止まったわ。けれど、昨日ほんの10分ほど自転車に乗ってきたらまた鼻水が出てきたわ。」 「そうするとやっぱり花粉のせいかねー?」 どうも分りません。

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自分自身への設問です。
もしこれに目の痒みが加わっていたらどうするか?

目の痒みは漢方では風(ふう)証と考えます。
風(ふう)の邪が瞼(まぶた)や眦(まなじり)にあると目は奇癢を感じます。
これに対する代表的な処方は瀉肺湯《眼科纂要》で、結膜炎などにも使います。

(石膏・赤芍・黄岑・桑白皮・枳売・木通・連翹・荊芥・防風・山梔子・白止・羌活・甘草)

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遺伝性視神経症(レーベル病)

西洋医学にはまだ治療法がなく、ビタミンCやB12などでお茶を濁しているようです。
そこで中医学ではどうかと調べてみました。

  [臨床療効]
治療57眼,療程平均30日,
治愈(視力恢復1.2以上)45眼;
有効(視力提高2行以上)9眼。
総有効率為94.7%。

こんなすごい治験はちょっと素直には信じがたいところですが。
ちなみにどんな方法かといいますと、青年期に発病するのは多くが肝鬱気滞が関与しているようです。

中医学ではこの病気は“青盲”という範畴でまとめています。
だから[青盲=レーベル病]というわけではありません。
視神経の萎縮を伴うものということです。

肝鬱気滞ではどんな処方を使うのでしょうか。

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