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怒りっぽいとは

『中医症状鑑別診断学(2版)』の“善怒”の項目には
「肝鬱気滞すれば善く怒る。それを解消するには“疏肝理気”を為さねばならず、達鬱湯か解怒平肝湯や柴胡疏肝散加減の類を用いる。」と書かれている。

ここまでは納得いくが、胡来元の辨証録選要によれば更に突っ込んだ説明がある。

「気にくわない事があると怒りで胸が塞がるのは、肝気が鬱逆するからだ。」と云うことは皆の知るところであるが、実は「肝血が足りない」からでもあるのだ。
肝経は怒りに因って病むものだが、若し肝血が少ないと、たいして怒るほどの事でなくとも大いに怒り、たいして悩むほどの事でなくともひどく悩む事になる。

何故なら肝血が少ないと「肝燥」になり、肝燥になると気逆になりやすいからだ。

同じ気悩症にも虚実はある。
しかし実とは「火実」の事で「血実」の事ではない。
また虚とは「血虚」の事で「火虚」の事ではない。
つまりどちらも血虚であって、違いは火勢の強弱だけである。

処方には解怒補肝湯を用いる。

 白芍(一両) 当帰(五銭) 沢瀉(一銭) 柴胡(一銭) 荊芥(一銭) 甘草(一銭)枳殻(三分) 丹皮(三銭) 天花粉(二銭)

 水煎服。一剤で気は平らかとなる。連服数剤すれば自然に怒らなくなる。

此の処方は全て平肝薬ばかりで、瀉肝の品ではない。
肝は補を得れば血を生ずる。
鬱は血を得れば散り易い。
肝気が鬱しなければ、悩怒は生じない。

このほか証候によっては加味帰芍湯、潤肝湯、萸芍熟地湯などを用いる場合もある。

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