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月経前のイライラ

月経前になるとイライラして怒りやすくなったり、ひどい時には狂ったようになったりして自制がきかなくなる事がある (経行情志異常) のは何故か?

月経前には肝経や衝脈の気血がもっとも旺盛になる。
普段から“肝鬱”気味の人には、この時期は大変危ない。
何故なら衝脈が実すると上逆 (上冲) する性質があり、肝鬱として溜まっていた肝気も一緒になって昇ってくるからです。
肝気が昇ると“肝火”となり、精神 (心神) を擾乱させると怒りや発狂になります。

また同時に肝鬱のため腹が脹ったり胸苦しくなったりの症状も伴います。

これには清肝解鬱・鎮静安神の治法が必要になります。
もっともよく選ばれるのは丹梔逍遥散 (加味逍遙散) 加減です。

※ ホームページのメール相談例「生理前の体調不良」の例が出ていますので参考にして下さい。

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肥満/月経が遅れたり来なかったり

女性、30歳。
一番目‥‥‥精神的によわく、悩みや嫌なことが起こると、だべてしまっています。
何とか痩せたいのですが、なかなかうまくいきません。

二番目‥‥‥これからの時期、すごく汗をかいてしまう事です。人前だとますます汗がひきません。

全身:だるい 、気がふさぐ、汗かき、不眠、朝起きれない
顔面:ふつう、時々頭痛
腹部:脇腹が痛い、腸が鳴る、
婦人:月経が遅れる、月経がこない

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

返事: 肥満による月経の遅れ(月経後期)があることは 蒼附導痰丸 のところで書きました。


あなたの場合もそれに該当します。
ただし薬に依存するだけでは不十分です。
同時に自身の努力によって痩せることも考えてください。
肥るのは炭水化物が主な原因ですから和風の副食を増やして御飯を減らす事から始めてください。
三度の食事だけにして間食はしないように。

また「ためしてガッテン」の「ちょこまか動き」を参考にしてください。

脾湿生痰 (脾の消化機能が衰えると湿滞となり痰を生ずる) の証に該当します。
次のホームページを参照して下さい。

※ ホームページのメール相談例「肥満」の例が出ていますので参考にして下さい。
あなたのケースとメカニズムが似ています。

今月の医話” 肥満の相談も参照して下さい。


おすすめの漢方処方

(1) 蒼附導痰丸(そうぶどうたんがん)・・・・・・・・・・(煎じ薬)

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蒼附導痰丸

蒼附導痰丸《葉氏女科》は現代では主に次の症状に使われている。

月経過少 早期閉経 月経後期 (月経稀発)

ほかに肥満や多汗症にも応用される。

【処方】 蒼朮・香附・枳殻・半夏・陳皮・茯苓・胆星・甘草・生姜

【功能主治】 肥満型で多痰,気虚,数月に一回しか月経がない;
       形肥痰盛者の経閉;
       肥人の気虚生痰の証は、白帯を下す者が多い。

なぜ肥満者に月経が阻滞するものが多いか?
肥満者は痰湿が多いとされる。
(痰湿とは病的な水分だけでなく脂肪も含まれている)
これらは元々は生理的な腎陰癸水と呼ばれる体液や性ホルモン等の重要物質だったのだが、卵巣・肝腎の間に停滞するうちに一種の有害物質に転換して卵子の生長発育を妨害するようになったのである。
これを中医学では「痰湿阻胞」という言葉で説明している。
また痰湿は二次的に血流の停滞すなわち淤阻をも引き起こすので更に排卵を阻碍する事になる。

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甘草瀉心湯

甘草瀉心湯とは半夏瀉心湯を基礎として炙甘草の用量を増やして調中補虚の意を図るものです。
即ち半夏瀉心湯証の重症で、脾胃虚・心下痞を強く訴える者に適用されるものです。
「心下痞」とは横隔膜を境にして上下の気が交流しないために起こります。
上半身と下半身の気が互いに交流しないとどんなことが起こるでしょうか?
上半身では不眠を、下半身では便秘を、みぞおちでは胃痛を起こします。

一、大便燥結

 岳美中医案:宋某某,男,5 9歳,1960年12月31日初診。
便燥となりて数月,空腹時には胃が脹痛し,酸水を吐く,手でさすると痛みが減り,おならが出ればスッキリする。
診察すると面部に虚浮があり,脈象は濡緩である。

そこで甘草瀉心湯加茯苓を投じた。
3剤の后、大便が沢山出て,おならも多くなった。

改めて防己黄耆湯加附子4・5gを投ずると、1剤后にはまた大便が通暢し,胃の脹痛も減り,面浮も消えた,ただもう少し胸焼けが残る。

再び甘草瀉心湯加茯苓を2剤服用させた。

3个月后に訪れてみると,諸症は皆消えていた。(《岳美中医案集》1978:45)

 按語:大便干燥の多くは腑実熱結によるか,津虧腸枯による。
然し本案の便燥では,口渇等の熱熾津傷の象が見られず,ただ胃痛、吐酸の証があったので,別の原因を示していた。
胃痛が手でさすると減るということは,気虚である;
痛んで脹り,おならが出るとスッキリするのは,気滞である。

脈象を綜合分析すると,脾虚にして気機阻滞の候である。
脾虚気塞すれば,腸道は不運となり,大便干燥となる。

故に治法は塞因塞用(*)こそが,気機を斡旋してくれる筈だ。

(*)甘草瀉心湯は下痢を止めてくれるから流れを塞ぐ処方だと思うだろうが、これを便秘に使うとは逆みたいだが原因を知れば納得できるだろう。

甘草瀉心湯は脾胃虚がひどくて痞するものに用意されている。
補に通を兼ね,寒熱が并投され,辛で開き苦で降せば,気機が暢達する,本証はまさにそれであった。

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以前、慢性便秘の記事で書いています。

私のお客で便秘にセンナや大黄の製剤を愛用している人の中で、ものすごく大量を飲まなければ通じが無いという方がおられます。
何年にもわたって服用し続けたため薬の刺激に慣れてしまって、だんだん量を増やしていった結果なのです。そういう方の便は決していいものではありません。軟便か形のないドロドロ便か水の中へ落ちると花のように散ってしまう水便です。このままでは将来の服用量がどんな事になるのか危ぶまれます。

こういう方に甘草瀉心湯が合わないだろうか、と思っています。

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