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新型インフルエンザと漢方

インフルエンザは昔からある病いで、今に始まる新病ではありません。
では4000年の歴史があるという漢方ではどのようにインフルエンザを捉えてきたのでしょうか?

呉又可という中国の医師がいました。
名を有性、字を又可といい、淡斎と号しました。
西暦1582-1652年、明代に江蘇呉県で活躍した人です。
一生を中医伝染病学の研究に従事し、《温疫論》の一書を著しました。
これにより伝染病の病因学説を完成しました。

彼の生きていた時代は戦が頻繁にあり、温疫が大流行しました。
明末の西暦1641年は呉有性が49歳の時で、温疫は山東、浙江、河南、河北等の地に流行しました。
西洋で細菌学というものの出現する前の時代です。
この時の経験から纏めたのが《温疫論》です。

“温疫の病というのは、風に非ず寒に非ず,暑に非ず湿に非ず,すなわち天気間の別の一種である異気に感じたものである”

この種の異気とは即ち“戻気(れいき)”の事である。
“戻気”はまた“癘気”とも表記する。
この学説はウイルスがまだ発見されていなかった時代に立てられた仮説としては大変先進的であった。

《温疫論》には“この無形の気は動物によって感染力が異なり、人がかかる以外に牛瘟・羊瘟・鶏瘟・鴨瘟などがある。しかも牛病は羊にかからず、鶏病は鴨にかからず、人病は禽獣にかからない。だから異気(雑気)というのである。”と述べてあり、温疫の免疫性にも論述がなされている。
ちなみに“温病”、“温疫”、“瘟疫”の三通りの表記があるが、広義と狭義の区別であり、温病は温疫をも包括する。

《瘟疫論》二巻はには

瘟疫の発生は“戻気”によるもので、口鼻より人体に侵入し、募原に伏し、その邪は半表半裏の間に止まる。その伝変するところは九通りもある。并せて一連の辯証施治の法則も提出するが、その辨証と治療は「傷寒」とは異なる。
とはっきり書かれています。

また

“温疫が大流行すると多くの医師は旧態依然として傷寒法で温疫を治す事を墨守するばかりで治療効果がない。”
とも云っているのは耳の痛い事ではありませんか。


★ 近年、タミフルよりも漢方薬の「麻黄湯」のほうがインフルエンザにより有効であるという顕微鏡下での研究結果が報告されていますが、歴史を読んでいない人達の戯言だと笑えます。

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