« 防風通聖散の応用(1) 発熱 | Main | 防風通聖散の応用(3) 急性乳腺炎 »

防風通聖散の応用(2) 急性扁桃腺炎

中医学では風熱乳蛾と称する。
外因として風熱邪毒の感受があり, 内因として肺胃に熱があると, 内外の邪毒が交結してさまざまな病理変化を引き起こす。
若し風熱邪毒が盛んだと, 勢いに乗じて裏に伝わるし,  平素から肺胃に熱があれば, 津液が煎煉されて, 喉核は紅腫し,腐ったような膿液が, 并見され胃腑熱盛の症となる。

【病案挙例】
1.劉某, 女, 8歳, 発熱、 流涕、 咽痛が2日つづき, 体温は39℃, 顔面と耳が赤い, 口干あり, 咽部が紅く, 扁桃体が腫大しており, 膿性分泌物を伴う, 小便は短赤で, 大便は干, 2日間出ていない。

防風通聖散加減:
金銀花、山豆根、薄荷、桔梗、連翹、赤芍、牡丹皮、黄岑、山梔子、大黄、玄明粉、生石膏、竹葉、玄参、生姜、甘草

1剤を服して熱は退き, 継服3剤で上症は皆愈えた。

按: 小児は脾胃が未熟である。
父母が溺愛して,肥甘厚膩のものばかりを嗜食させていると,飲食不節から積滞になりやすく,壅結して熱化すると,抵抗力は下降し,容易に外邪に感染する。
故に臨床では表裏倶実の感冒や扁桃体炎が多く, 防風通聖散を症に随って加減して湯剤を用いると有効である。

2. 徐某,女, 10歳。1994年4月26日就診。
患児は2日前に風寒を感受した, もともと大便秘結の習慣があった。

診見: 無汗、頭痛、咽痛、腹満、口渇、尿少,3日間 大便が出ていない。
査見: 舌質は紅く,舌苔は黄干,脈は浮数。
咽部は充血し,両側の扁桃が腫大し,膿点がある。

風寒束表の証に属し,表裏は倶に実である。
治には解表通裏, 疏風清熱が宜しい。

処方: 防風10g, 大黄12g, 芒硝10g (分3次冲服), 荊芥穂10g, 麻黄7.5g, 梔子10g, 白芍7.5g, 連翹10g, 甘草7.5g, 桔梗20g, 滑石12g(先煎), 薄荷7.5g, 黄岑12g, 白朮7.5g, 陳皮20g,
水煎服, 日服1剤, 服3次。

大便が通じれば芒硝を減らし,継服すること4剤で,病は愈えた。

3. 丁某, 男,6歳。 1985年4月1 日診。
昨晩から発熱と咳嗽が始まり, 体温38.9℃。急性扁桃体炎と診断された。

症見:
発熱, 体温39.2℃, 両側の扁桃体は紅腫して棗ほどの大きさで、咽干と口渇, 微咳あり, 大便は秘結し, 小便は短赤, 舌苔は微黄, 脈象は浮数である。

風熱乳蛾と診断される。
病は肺胃蘊熱, 外感風邪, 風火邪毒相伝, 夾痰淤凝滞, 互結于咽部の証に属する。

治は疏風宣肺, 清熱利咽に宜しく, 防風通聖散を増損して用いる。

処方: 防風、荊芥、薄荷、赤芍、桔梗、甘草各6g, 連翹、梔子、黄岑各9g, 川弓、当帰各4g, 大黄2g, 滑石15g, 生石膏25g (先煎)。

3剤を服した后, 汗が津津と出て, 便通があり熱が減り, 扁桃体の紅腫も大いに減じた。

原方から荊芥、防風を去り, 魚腥草、銀花各9gを加えて, 連服すること4剤で愈えた。

  『難病奇方系列从書 第二輯 防風通聖散 (2009年)』 より

|

« 防風通聖散の応用(1) 発熱 | Main | 防風通聖散の応用(3) 急性乳腺炎 »

治験」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 防風通聖散の応用(2) 急性扁桃腺炎:

« 防風通聖散の応用(1) 発熱 | Main | 防風通聖散の応用(3) 急性乳腺炎 »