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防風通聖散の応用(3) 急性乳腺炎

本病の初起は乳房が腫脹し、疼痛する, 腫塊は圧えると痛み, 表面は紅く腫れ, 発熱する;
そのままだと症状は重くなり,高熱, 寒戦を伴い, 乳房の腫痛はひどくなり, 皮膚は紅腫し, 硬結があり、 圧痛がある, 患側の腋下の淋巴結は腫大し, 圧痛する。
炎症は数日の内に軟化して, 乳房腫を形成する, 波動感がある, 膿腫が深いと皮膚の発紅と波動感ははっきりしない。

本病の主要原因は乳腺管の阻塞と, 乳汁の淤積である;
或いは嬰児の吸乳時の乳頭損傷に因る。
本病は中医の "乳癰" の範畴に属する。

【病案挙例】
1. [革斤]某, 女, 28歳, 産后2月余りの時, 発熱と、少しの寒けがあり, 右側の乳房が腫痛した。

体検: 体温39.5℃, 右側の乳房が紅く、腫れ, 結塊を触れる, 大便は3日間ない, 舌質は紅く苔は黄で脈は滑数である。

辨証: 風熱が熏盛して, 表裏が倶に実となった。

治法: 疏風清熱, 解表通裏。

防風通聖散化裁: 防風10g, 荊芥10g, 蜜麻黄10g, 連翹10g, 桔梗l0g, 薄荷8g, 黄岑6g, 炒梔子4g, 大黄4g, 滑石10g。

清水で燉服する, 夜間22時に汗が出て熱は退き, 便通があった。
次の日の早朝には, 乳房の腫痛は消失した, あとは疏風解表の

 荊芥10g, 防風10g, 茯苓10g, 柴胡10g, 薄荷8g, 桔梗9g, 枳売10g, 前胡10g

を以って調理した, 黄岑、炒梔子、大黄等の苦寒で胃にさわる品を除去したのである。

2. 張某, 女, 24歳。
初診日期: 1972年4月 18 日。
患者は産后24日に, 突然悪寒と発熱があり, 右側の乳房が脹痛した,
医院の検査では "急性乳腺炎"で, ペニシリン注射などをしたが, 好転しなかった,
発病后 三日たって北京中医院で就診。
当時はまだ悪寒と発熱があり, 悪心、食欲不振, 口干と口渇, 心煩不安あり, 大便は干燥し, 小便は黄赤で, 脈は弦数, 舌質は紅く, 苔は黄膩だった。

検査: 体温38.6℃, 面色は潮紅で, 呼吸は急促し, 右乳の内上方に11cm x 9cmの腫塊がある,
皮膚の色は微紅, 圧痛があり触るのを拒む, 波動感はなく, 右腋下の淋巴結は腫大し圧痛がある。

治法は疏風解表清裏。

防風通聖散加減: 防風10g、 荊芥10g、 麻黄10g、 連翹10g、 薄荷10g、 黄岑10g, 大黄5g, 滑石5g, 蒲公英5g, 梔子5g。

水煎して, 1日4回服したら, 三日で痊愈した。

 『難病奇方系列从書 第二輯 防風通聖散 (2009年)』 より

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