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定経湯  無排卵性月経

不定期月経で定経湯を取り上げました。

定経湯はまた無排卵性月経や高プロラクチン血症にも用いられます。
王輝萍主任医師の臨床治験はまだ続きます。

(2) 高泌乳素血症 (高プロラクチン血症)

王老は 乳頭は肝に属し,乳房は胃に属し,腎経は乳内に入ると考えている。
若し情志不遂で,肝が疏泄を失うか,或いは腎水不足で,肝が養われなければ,肝火は上炎し,気血は肝気に随って上逆し,乳汁が溢出する。
同時に気血は衝脈 血海に下注するを得ず,経は閉じて行らない。
清・王旭高 曰く:"乳房は胃に属し,乳汁は血の化する所である。子供が居ないのに乳房が膨脹し,乳汁を下すのは,血が余っているからではなく,月水が道を間違え、肝気に随って乳房に上入し,変じて乳汁となったのである……其の気を順にし,其の火を清せば,其の風は熄み,下行させる事が出来る。"

定経湯加減: 当帰、白芍、白朮、茯苓、柴胡、丹皮、熟地、菟絲子、山萸肉

若し肝鬱が甚しければ 加夏枯草、緑萼梅;
若し気滞痛経なら 加香附、充蔚子;
若し肝火上冲,心煩易怒,口苦,苔黄膩なら 加山梔、黄連、黄柏;
若し脾虚湿阻,肥胖痰多なら 加制胆星、姜半夏、白芥子

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案2,女,32歳,已婚。2007年6月6日初診。
経が来ても稀れで少い,甚しいと数ケ月に一度しかなく,経前に乳が脹痛する。
今は閉経してから3ケ月になり,頭暈して煩躁し,乳は脹痛し,腰膝は酸楚,便は堅く,舌は略紅,苔は薄黄,脈は細弦である。
婦検では子宮附件に異常なし,乳房発育もよく,双乳から少し許り乳白色の乳汁が出る。
基礎体温は一相である。西医診断は高泌乳素血症 (高プロラクチン血症)。

中医診断は月経失調,乳汁自溢。
すなわち腎虚と肝経鬱熱で,滋腎疏肝,清解鬱熱,調養冲任が必要である。

定経湯加減: 当帰・茯苓・丹皮・菟絲子5,白芍・柴胡・生熟地・山萸肉・川牛膝・沢蘭葉4,生麦芽10


二診:2007年6月20日。
薬后 頭痛は好転し,溢乳も減少した,大便はだんだん出易くなり,苔は薄く,脈は細弦。
効いてきているので処方は変えず,原方を再投する。


三診:2007年7月5日。
月経は6月30日にあり,今は已に上がっているが,経量は以前よりも多く,色は紅い,経前の乳脹も軽微で,乳房からはもう乳汁分泌はない,舌は淡紅で苔は薄い,脈は細。

上方から川牛膝・沢蘭葉を去り,山薬3,陳皮・白朮4g を加える。


四診:2007年7月20日。
基礎体温は2日前から上がっており,小腹は稍や脹り,少し腰が酸(だるい)い,納便可(食欲と便通は普通),舌は淡紅,苔は薄く,脈は細弦。

 当帰・茯苓・丹皮・菟絲子・巴戟天・川断・杜仲5,白芍・白朮・柴胡・生熟地・山萸肉・制香附4

月経后は肝腎の陰を滋養させ,高温期からは腎陽を温めながら疏肝し,衝任脉を調養させる,数月後に訪れたら,月経周期は正常になっていた。

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