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小兒の上呼吸道感染

新型インフルエンザが子供たちを襲っているこの頃、少しでも何かの参考になればと思いまして拙文をアップします。

中医学では, 小兒の臓腑は嬌嫩なため“稚陰稚陽”の体といいます。
肌膚は柔弱で, 営衛の衛りは固くなく, 飲食も自分で節制できません。
寒温も感知できず自分で調節できません。
外界からは容易に風邪が襲いかかるし, 身体内では脾胃の機能が不十分なため,運化作用は心許ないものです。
若しも栄養が足りなかったり,冷たいものを飲んで冷邪を感じたり,食滞や生冷・積熱で傷つけられたりすれば,簡単に湿痰を生成します。
それが進んで気機が阻滞し,升降が常態を失えば,風寒を感じれば,たちまち消化道及び呼吸道の疾患を現わします。
その標的はにあっても,その本因はに在ります。
臨証では咳嗽の外に, 面色無華(蒼白)、納少(食欲不振) 汗多等の肺脾気虚の象を伴い,多くは虚実兼夾の症です。
これに因って, 二陳湯で理気健脾化痰を図る事が病因病機に合致します。


【臨床応用】
1.徐艶花は2003~2004年間に,中薬の加味二陳湯だけで小兒咳嗽146例を治療し,好い療効を得ました。
146例の病人は西医の小兒科で上呼吸道感染と診断が確定され, 抗生物質を服用しても治療が無効だった者である。

年齢の最小は1歳3个月, 最大は4.5歳, 平均3.4 歳だった;
病程の最短は12日, 最長は49日, 平均19日だった。
病人は中薬の加味二陳湯の治療だけで, その他の薬物は停止した。

 加味二陳湯処方:
陳皮5~10g, 半夏2~6g, 魚腥草6~12g, 桔梗・白前・茯苓・黄耆・炙瓜呂皮3~9g, 射干・炒莱服子l~6g, 荊芥・炙甘草3~6g, 姜3~9g, 紅棗4枚

加減: 年齢及び病情に基づいて, 薬剤量は酌情加減した。
毎日1剤を, 毎4hに1回か或いは時間かまわずに温服させた。
服薬后は注意して風を避け, 飲食は清淡にものとした。

治療結果:
治愈したもの130例で, 89.04%を占めた;
好転したもの16例で, 10.96%を占めた;
総有効率は100%。
2剤しか服薬しなかった者から, 9剤を服薬した者まで, 色々だが平均の服薬は5~6剤だった。

2. 張長安、任静国は二陳湯加味を用いて小兒の痰湿蘊肺型の咳嗽80例を治療した。

基本方: 陳皮6g, 法半夏3g, 茯苓9g, 甘草2g

随症加味: 紫蘇子6g, 黄岑3g, 桑白皮6g, 杏仁3g

若し痰液が黏稠で咯出し難ければ, 海浮石・生蛤殻・生牡蛎l0g を加えて, 黏痰を軟化して, 消痰を助ける。

毎日1剤, 療程最少2日, 最長20日, 一般に療程は1週間だった。
治愈67例, 好転8例, 未愈5例。


3. 林鋭金は杏蘇二陳湯を用いて小兒の脾虚痰湿の咳嗽45例を治療した。

杏蘇二陳湯加減:
法半夏・炒杏仁・桔梗6, 白僵蠶・蝉蛻・陳皮・甘草3, 茯苓・魚腥草15, 紫蘇子9, 莱服子10g

  これは3~5歳の小兒の剤量であり, 薬量は年齢に随って増減する。

加減:
若し風寒の表邪を兼ねる者には +紫蘇葉・桑葉;
肺気が鬱閉して喘する者には +炙麻黄;
肺熱が熾盛なる者には +黄岑・桑白皮;
痰が多く咳声の重い者には +瓜呂仁・川貝母;
咳が長引いて愈えない者には +紫苑・款冬花。

総有効率は95.6%だった。


4. 葉淑清は三拗湯合二陳湯加減を採用して小兒の外感咳喘90例を治療した。

治療結果: 痊愈73例, 好転12例, 無効5例;
治愈率は81.1%;
有効率は94.4%だった。

     『難病奇方系列从書 第三輯 二陳湯 (2009年)』 より

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