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脱毛 脱髪

(1) 脂溢性脱髪

李某,男,21歳,于2005年5月16日初診。
1年来 頭髪があちこち脱落し,洗髪時にはひどい,時々 頭皮も痒い。
口干、口苦、失眠をも伴う。
頭頂の髪が少なく,髪は細く軟かくて油っぽい。
舌は紅く,苔は黄膩,脈は滑数である。

西医診断: 脂溢性脱髪,
中医診断: 発[虫主]脱髪

証は湿熱型で,清熱除湿法を用いる,処方は竜胆瀉肝湯加減とする。

 黄岑・車前子・沢瀉・茵陳・白朮・茯苓・苦参10 白鮮皮15 竜胆草・生山梔・甘草5g


二診: 14剤を服薬し終わると,頭髪の脱落は明らかに減少し,頭油も減軽し,頭皮の掻痒も消失したが,まだ夜寝ると夢見が多い。

原方から 白鮮皮、苦参を去り,生竜骨30gを加える。


三診: 継服すること14剤の后, 頭髪の脱落は大変少なくなり,頭油は明らかに減った,夜も自然に入睡できるようになった。

原方に制首烏30gを加えて,再服すること84剤にして,頭頂には既に多くの発毛がある。
油膩肥甘の食品を少なくして,再び上述の方剤を丸剤にして服用するようにと伝えた。

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(2) 脱髪

王×,女,24歳,工人。96年3月26日初診。
患者はこの頃 頭髪が枯れて黄色くなり,梳をかけるとバラバラと脱落する。
胸悶あり,ため息が多く,たまに咳をする,二便は調っている,舌は紅く苔は薄白い,脈は弦細である。

診断:肝腎虧虚、気血不足 兼 肝鬱不舒

治則:滋補肝腎,益気養血,疏肝解鬱

方薬:六味地黄丸加味

 山薬30  茯苓・党参20 熟地・女貞子・旱蓮草・山茱萸・合歓皮・炙首烏15 丹皮・沢瀉・鬱金・枳殻10g

上方を3剤服用して后 胸悶は除かれたが,なお頭髪は脱落する,額際がひどい,舌脈は前と同じ。

再び詳しく病歴を尋ねるといつも風邪気味だという。
額際というのは陽明胃経が通過する処で,肺脈は胃を通り,肺は皮毛を主る,試しに清肺熱,活血絡の治をとる。

方薬:桑白皮・地骨皮・桔梗10 生石膏・丹参30 知母・白止・葛根・炙首烏15

上方を3剤服用した后 患者は心中舒適を感じた,続けて原方(六味地黄丸加味) 3剤を服用した后 来診したら,頭髪の脱落は明らかに減少し,頭髪の色も黒く変っていた,再び原方を投じて療効を鞏固にした。


按:中医学では髪は腎が主どり,髪は血余であると見る,本案も先ず肝腎より,気血を治したが皆無効だった。
その后「肺は皮毛を主どる」という観点から出発して,病歴と脱髪の特徴を結合し,大胆にも肺熱と立論し,肺熱が皮枯と毛脱をするのではないかと考えた。
例えば《素問・痿論篇》に云わく:"肺熱の者は,色白くして毛敗れる"。
同時に肺が宣降を失えば,肺金は腎水を生ずることが出来ず,精微は頭まで布達できず,髪は所養を失うので,枯黄して脱落するのではないかと。

治には桑白皮、地骨皮、石膏、知母を用いて清肺瀉熱する;
女貞、旱蓮、首烏にて滋陰生精する;
生地、丹皮、丹参にて凉血活血する;
白止、葛根にて陽明の邪を去る;
桔梗は薬を載せて上行し,同時に肺が皮毛へと輸精するのを助ける。

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