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急激な悪化は何故起こるのか?(1)

新型インフルエンザで小兒や少年ひいては大人に至るまでが急死するケースが報道されている。
ある時はウィルス性肺炎だったり、心筋症だったり、ウィルス性脳症だったりする。
そのメカニズムは免疫の過剰反応である「サイトカインストーム」ではないかとのことである。
新型インフルエンザの毒性は弱いとされつつも、人によっては急激に悪化する場合があると云われては、我先にとワクチンやリレンザ等の確保に殺到する事にならざるを得ない。

しかし、ちょっと待ってくださいよ。
文明の発達したこの21世紀にあって、パニクるのはみっともなくはないですか?
一体どうしてそのような「急激な悪化」が起こるのか、それが分かれば慌てる事もないでしょう。

私は漢方の立場から考えて、急激な悪化が起こるのは「小兒の上呼吸道感染」で述べた"稚陰稚陽"が原因ではないかと思います。
現代にあっては"稚陰稚陽"は小兒に限らず、少年や大人にも存在する状態ではないだろうか?

いまの新型インフルエンザに対してでも、現代医学は病源であるウィルスにばかり注目して、病人である個人の側の内因については問題にしていません。
理屈では確かに、外因を無くすればそれで感染は食い止められるかもしれません。
しかし実際には、空気伝染のように広範囲な相手を止められる筈がありません。
治療には外因ばかりでなく内因にも着目して、内外両方から詰めていかなければなりません。
外因には現代医学を主にして、内因には漢方や中医学を動員して総合的に考えるのです。

これまで余りにも現代医学に頼りすぎて、外感に対しては病原菌の方ばかりをやっつけて来ました。
その結果、自力で闘病するという事が疎かになっていたのではないでしょうか?
病気が治るという機舒には、自力の生理的な闘病反応があってこそ完成されなければなりません。
その一例は「かぜの体験 止嗽散」で書いたように、治癒機転は大小便の排泄によって行われました。(発汗による場合もありますが)

病原菌をやっつけようとするのではなく、体内で起こっている闘病反応を完結させることに全力を尽くして自然治癒へと向かわせる事が免疫力を培う事であり、"稚陰稚陽"からの卒業だと思うのです。
こういう闘病の繰り返しでこそ大人としての抵抗力が生れるのではないかと思います。
現在 どの病院でもこのような自力更生的な治療法を行っていません。
そういう経過が今の「サイトカインストーム」を生む土壌になっているのではありませんか?
"稚陰稚陽"のまま大きくなった少年や大人が今 ツケを払わされているのです。

せっかく日本には東西の両医学があるのですから「もっと双方を利用するようにしたらいいのに」と心の中で地団駄を踏んでいます。

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