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漢方と大腸癌

大腸は五臓六腑の六腑に当たります。
六腑は中空で通じていなければ用をなしません。
また上から下へと降るのが順です。
このように“通降”が六腑の共通した特性です。
便秘は大腸の伝導(通降)が失われたためです。

大腸が糟粕を伝導する機能と体内の津液とは密切な関系があります。
腎虚になると津液が不足するし、腸胃の積熱があれば津液を灼傷するしで,大便は伝導不利となり,大便は干渋して,便秘になります。
便秘になると、湿・毒・淤血などの実邪が腸道に結阻しやすくなり、腫瘤を形成します。

腎虚以外にも、大腸は肺・脾・肝・胃の臓腑とも密切に相関しています。
肺と大腸は相表裏をなしており,肺気が宣発粛降すれば大いに大腸の伝導を助けます。
脾は上昇を主り,胃は下降を主り,脾胃の功能が正常なれば大いに大腸の伝導を助けます。
肝は疏泄を主り,条達するのを喜ぶので,気機の昇降とも常に関係します。
疏泄が滞り、食べ物の糟粕が久しく腸腑に滞れば便秘になります。

これは《四聖心源》に曰う:“腎は二便を司り,伝逓の職は庚金(肺)にあり,疏泄の権は乙木(肝)にある。”という言葉で要約されています。

従って便秘を治す方法も肺・脾胃・肝・腎からと原因によって区別しなければなりません。

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治療は“通補兼顧”になるようにしますが、補によって滞ってはならないとされます。
また本病の治療で特に強調するのは“通ずるに宜しく壅ぐ勿れ。あまり峻猛の薬剤を投じて通じすぎてはならない”という事です。
此の外にも通降機能を調暢すると同時に,正邪の関系にも注意を向け,処方には平和な性を求め,切に猛浪にして攻伐太過なる薬剤を使ってはならない。
如し苦寒なれば敗胃し易く,消伐太過なれば耗気し易い,破血の剤は動血し易く,通下過度なれば陰津を傷つけ易い等々がある。

例 1肝脾不和による場合
 四君子湯+四逆散 (柴胡4 白朮・鶏血藤・赤芍5 党参・茯苓・陳皮・白芍・莪朮・枳殻3 甘草2)

【例 2】肝胃陰虚による場合
 芍薬甘草湯+清腸飲加減 (金銀花10 当帰・地楡7 麦門冬・玄参・意苡仁5 生甘草3 黄岑2)

例 3肝脾不和および陰虚による場合
 清腸飲+枳朮丸加減 (生白朮20 金銀花・玄参・地楡・意苡仁・馬鞭草10 麦門冬7 当帰10 g,黄岑10 g,郁李仁10 g,枳実3 甘草2)

例 4術后の放射線治療の時
 黄白解毒湯(黄耆10 黄精・枸杞子・鶏血藤・槐花・敗醤草・馬歯見・仙鶴草・白英5)

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