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怒りについて

以前、「怒りっぽいとは」の記事を書きましたが、この時の怒りとは「血虚」から誘発される怒りでした。
今度は「血実」から発せられる怒りについて考えて見ます。

怒りっぽいことを「多怒・善怒」などと表現します。
漢方には形神一元論というのがあって、臓腑(生命物質)と精神活動は一元であると見なします。

“肝は血を蔵し,血は魂を舎(やど)す,肝気が虚すれば恐れ,実すれば怒る。”

この臓腑機能から見てくると善怒には「瀉肝」から着手すべきです。
後世の医家が竜胆瀉肝丸・瀉青丸・丹梔逍遥散等を運用して肝火上炎の煩躁易怒を治療したのがよく分かります。

一方、善怒は陰陽の平衡から論ずる事も出来ます。

“陽多き者は,多く喜び;陰多き者は,多く怒る”

陰陽の盛衰と喜怒は相対します。
同じ怒りでも陰多き者は鬱怒する。
気機を疏理して,陰盛による抑鬱沈滞状態を解除すべきで,逍遥散・柴胡疏肝散等を選用する。
陽盛によれば憤怒となる。
上亢の陽を平抑すべきで,生鉄絡飲により“陽厥”を治療するような場合である。
後世、黄連解毒湯・鎮肝熄風湯・[石蒙]石滾痰丸等を運用して煩躁・怒狂等を治療するのは一歩の進展である。

このように視点によって怒りの治療法が異なる事から、人間の怒りの複雑さや多様性について思いが致されます。

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