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飽食と腹脹(腹満)

食べ過ぎた後、腹が張って苦しんだ事がありませんか?
漢方では胃悶とか胃緩といいます。
2010/02/07 夕飯を無理して食べたのが祟って、翌日から全く食欲がなくなってしまった。
それからは食事をうんと減らして節食しているのだけれども、五日経っても良くならない。
軽くゲップが出たり、悪心があったり、腹満感があったりで何とも不快である。
節食だけでは埒が開かないので、ネットを調べてみました。

胃緩のところに胃下垂・胃無力症とあります。
まったくその通りです、胃が動いてくれません。

胃の働きは常に脾胃セットで語られます。
胃は受納・消化を司り、脾は精微の吸収・輸布を司ります。
故に胃気は下降し(濁気降下)、脾気は上昇する(清気上昇)と考えます。

一般的には胃弱による食欲不振には補中益気湯や六君子湯などですが、どうもそれらの処方を飲む気にはならない。
何故なら脾胃気虚の他に腹満という自覚症状があるからです。
気虚だけではなく、いかにも胃緩という表現の如く、胃の緩みそのものがこれで改善するとは思われないからです。
もっとスキッと胃を引き締めてくれるものは無いものか?

気を補うだけなら補中益気湯や六君子湯でも良いですが、どんよりと曇った濁気を吹き払ってくれるには力不足です。
曇天にカラッとした陽気を照らしてくれるような、活気のある一爽の風を吹かせたい。
そこで見つけたのが升陽益胃湯でした。

升陽益胃湯は李東垣の《脾胃論》の肺之脾胃虚論篇中に出て来ます。


本方の適用は「脾胃虚弱而湿邪不化,陽気不升之証」で次の如し。

倦怠嗜臥,四肢無力,秋燥の頃になって湿熱が少し退いても体は重く関節は痛む、口苦舌燥,心不思食,食不知味,大便不調,小便頻数,食不消,兼見肺病,洒淅悪寒,惨惨不楽,面色不和,舌苔厚膩,脈象濡軟。

(黄耆10 半夏・人参・炙甘草5 独活・防風・白芍・羌活3 橘皮2 茯苓・柴胡・沢瀉・白朮1.5 黄連0.5)45.5

補中益気湯との相違は独活・羌活・防風・柴胡と並んだ去風湿剤の多さと黄連の存在です。
四つの去風湿剤は曇天の雨雲を吹き払うに十分でしょう。
そして黄連は湿地に溜まった陰火を消してくれましょう。

果たしてこれを一剤飲んだだけで、翌日はその効果をハッキリと確認する事が出来ました。
我が身に起こった体験は本当に勉強になります。

陽気が昇る時間//陽気を上げる食物」では風邪に応用しました。

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