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しつこい咳嗽の経験

2010/05/30
妻が朝起きるとめまいがするといって散歩に行かなかった。
昨日 孫の面倒を見ていて疲労が重なったせいと思ったそうだ。

2010/05/31
めまいが収まったが今度は風邪を引いたようで、軽く咳嗽をしている。
ごろんごろんと痰が絡むような音がする。
孫たちから風邪を移されたかなと言っていた。
先ずは定石の 止嗽散 を服用する。

 (百部・紫苑5 桔梗・白前・荊芥・陳皮・生甘草3)25

2010/06/01
効かない。
では、もう一つ 桑菊飲 かな?

 (桑葉・菊花・杏仁・桔梗・芦根・連翹・薄荷・甘草)

2010/06/02
やはり効かない。
そこで、めまいと咳嗽から痰飲がらみと考えて 六安煎加減 を投与した。

(半夏・陳皮・茯苓・白芥子・杏仁・貝母・白朮4 枳殻・生姜3 甘草2)

しかし咳嗽はあまり変わらなかった。

2010/06/03
痰は絡んでいても全然出てこない。
そこでまた痰熱かなと考えて、止嗽散加味を投与した。

 (紫宛・桔梗・陳皮・百部・白前・荊芥・桑白皮・地骨皮・麦門冬・前胡・黄岑・貝母・魚腥草3 竹茹・甘草2)43

やはり効かない。
最初にめまいから始まったのがどうも気にかかる。(以前ひどいめまいの経験「激しいめまいと嘔吐」があるので)

2010/06/04
めまいはしないが咳嗽はますますひどくなり、背中に響いて痛む。
どうしても痰鳴音とめまいとの関係が気になり、痰飲から頭が離れない。
二陳平胃湯加味を投与する。

 (陳皮・半夏・茯苓・蒼朮・厚朴・党参・白朮4 烏梅・甘草2 生姜1)33

2010/06/05
やはり効かない。
痰は喉に引っかかっている訳ではなく咳嗽の時だけ痰鳴音がするので、これは若しかして燥痰ではないか、それならば風燥の咳嗽かと、今度は

 止嗽散+沙参、麦冬、知母、玉竹、枇杷葉、貝母、瓜呂皮、黄岑、百合、白茅根

2010/06/06
やはり効かない。
再び初心に帰って、風痰なら止嗽散で合っているはずだ。
その後幾つか加減をしてみたが、やはり効かない。

2010/06/08
痰鳴はすれども切れて出てこないから、これは肺陰虚ではないかとも思われる。
思い余って、沙参麦冬湯を投与する。

 (沙参・麦門冬・玉竹・花粉・白扁豆・桑葉・甘草)

2010/06/09
やはり効かない。
では粘痰かな?、と今度は 清肺湯《万病回春》 を投与する。

 (黄岑・桔梗・陳皮・桑白皮・貝母・杏仁・山梔子・天門冬・麦門冬・竹茹・当帰・茯苓・五味子・干姜・大棗・甘草)

2010/06/10
やはり効かない。
では 清肺湯《医宗金鑑》 ならどうだ。

 (麦冬・天冬・知母・貝母・陳皮・黄岑・桑皮4 甘草2)30

2010/06/12
やはり効かない。
念のため 粘痰方 はどうか?

 (貝母・茯苓・冬瓜子・杏仁・枇杷葉4 前胡・瓜呂皮・北沙参3 款冬花2)31

2010/06/13
どのように弁証したらいいのか、全く分からなくなった。
とにかく外感であるから去邪しなければ絶対に治らない。
邪は何なのか?
風には違いないが、風と何が結びついているのか?
若しかしたら表寒が去らずに居座っていて内熱が外へ出られないのか?
いわゆる「寒包熱」か?
一度 麻杏石甘湯 を試してみるか。

 麻杏石甘湯加味『叢法滋・中医症例集』
 (麻黄1 石膏6 杏仁4 甘草・桔梗・前胡・黄岑3  魚腥草・連翹・大青葉・紫苑・百部5)48

2010/06/14
これが見事に効いてくれた。
いやー驚いた。
効く時はすぐ分かるものだ。
いっぺんで咳嗽の回数が減る。
本人もすすんで飲みたがる。
実に2週間もの間、よくぞ治療に耐えてくれた。
やっと正解にたどり着けたようだ。

それにしてもこの処方を創作した叢法滋老師はたいした先生だ。

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Comments

やはり「経方」ですね!

Posted by: 馬 | 2010.06.15 09:23 AM

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