IgA腎症と中医学2
一:外感の有無は?
IgA腎炎は外感の誘発に因って,急性発作階段では,尿血・腰痛等の腎病の症状の外に,発熱・怕冷・咽喉の腫痛等の外感風熱的症状があります。
緩解期では外感表現は無く,僅かに陰虚火旺・気不摂血・淤血阻絡による尿血等の症があるだけです。
二:淤血の有無は?
IgA腎炎の病歴は長く,容易に反復発作があり,久病入絡する。
従って血熱搏結,淤阻下焦,血不帰経が本病に見られる。
伴見されるのは腰腹刺痛・舌質紫暗で淤斑や淤点、脈が細渋等の症です。
三:熱血の有無は?
証中で熱が有るか無いかを辨ずる事は重要な意義がある。
熱邪は容易に血絡を傷つけ,出血させる。
熱には内熱と外熱の別があり,虚熱と実熱の分がある。
外熱とは体温升高の外に,風熱客表という表現を伴う。
内熱とは体温升高が無いか,あっても僅かで,口干・煩躁・尿赤・舌紅苔黄等の症を伴う。
虚熱の主要な責は腎にあり,腎陰虧虚や,陰虚内熱である。
実熱の主要な責は心にあり,心火独亢や,熱を小腸に移す結果,心煩失眠・口舌生瘡等の症を伴見する。
無熱の主要な責は脾にあり,脾気虧虚,気虚で摂血が不能となり,血は経に帰らず,脈外に溢れるために,疲乏無力・少気懶言・面色萎黄等の症を伴見する。
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