手足自汗を論ず
手足の多汗症について
古典には次のようになっている。
(1) 手少陽の脈,三焦経は,小指と次指の端から起り,上って両指の間へ出て,手表を循って腕へ,臂外両骨の間へ出,上貫して肘へ云云。
手の背に遍って汗が多い者は,三焦の気脱である。
(2) 経に云く∶手足よりシュウ然として汗が出て,大便が硬く譫語があれば,これを下せば癒える。
何故ならこれは熱が胃に聚っており,津液が旁達して,手足の汗出となるからである。
(これは陽明病、大承気湯の証である)
(3) 成無己が云く∶寒が胃に聚って,手足汗出となるものが居るのは何故か?
経に云く∶陽明中寒者は食べられず,小便は不利し,手足からシュウ然と汗が出る場合がある,これは痼[病<暇-日-丙]にならんとしており,即ち中寒である。
(4) 海蔵に云く∶内感陰証に,手足逆冷して自汗する者と,手足自温して自汗する者がある,これは厥陰、太陰の違いである。
このように手足自汗でも「三焦の気脱」「手足逆冷(四逆)」「手足自温(温和)」の区別がある。
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