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手足自汗を論ず

手足の多汗症について

古典には次のようになっている。

(1) 手少陽の脈,三焦経は,小指と次指の端から起り,上って両指の間へ出て,手表を循って腕へ,臂外両骨の間へ出,上貫して肘へ云云。
手の背に遍って汗が多い者は,三焦の気脱である。

(2) 経に云く∶手足よりシュウ然として汗が出て,大便が硬く譫語があれば,これを下せば癒える。
何故ならこれは熱が胃に聚っており,津液が旁達して,手足の汗出となるからである。
(これは陽明病、大承気湯の証である)

(3) 成無己が云く∶寒が胃に聚って,手足汗出となるものが居るのは何故か?
経に云く∶陽明中寒者は食べられず,小便は不利し,手足からシュウ然と汗が出る場合がある,これは痼[病<暇-日-丙]にならんとしており,即ち中寒である。

(4) 海蔵に云く∶内感陰証に,手足逆冷して自汗する者と,手足自温して自汗する者がある,これは厥陰、太陰の違いである。

このように手足自汗でも「三焦の気脱」「手足逆冷(四逆)」「手足自温(温和)」の区別がある。

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黄文政教授
天津市中医学院第1附属医院著名中医内科専家,
理中湯加減治療手足汗

   患者,男,45歳,2002年9月16日初診。
患者の主訴は2ケ月以上も手足が冷いのに汗が出る事,時には手を洗ったようになる,舌紅く,脈は細弦,既往症として半年間 腰の冷痛がある。
脾虚失運,表虚湿盛と辨ずる。
治には温陽化湿,補胃固表とする。

方は理中湯加減:
 党参5 白芍4 白朮・干姜・炙甘草・五味子3 烏梅2 生竜骨・牡蛎10

3剤后,9月19日に患者を二診すると,汗の出は減軽し,緊張するとまだ手足の汗の出がひどくなる。
そこで方に郁李仁2 を加えて,継服すること7剤の后には,患者の手足の汗は消えていた。

   按:本案はもともと脾胃虚弱で,運化が失職している者が,長年の間に寒湿内盛となり,その湿が蒸して汗となって出たものである。
清,張[王路]《張氏医短》:“経に云わく陽気が有余なら,身熱しても無汗である。陰気が有余だと,多汗と身寒が現れる。”
又云く:“脾胃の湿が蒸せば,四肢に旁達して,手足に汗が多くなる。熱者には二陳湯加川連、白芍を用いる;冷者には理中湯加烏梅を用いる;弱者には十全補去弓加五味子を用いる。”
故に本証の治療は調和脾胃が鍵である。
湿と汗は均しく陰寒に属する,李東垣は亦論じて曰く“始めは熱中のため,蒸蒸と汗が出ても,表が虚して亡陽すれば,終いには寒中となる”。
汗出る事が長引くと寒湿内盛が主となる,故に寒盛畏凉者には理中湯加烏梅を用いる。
激しく動くと汗が出る者は,胆経より論治して郁李仁を加える。

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