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唾液・涕・涙から何が分かるか?(1)

疾病の予測をするのに中医学では唾液・涕泪(涙)からの信号を察知する方法があります。
何故ならこれらの異常は「臓精の外溢」と見るからです。

第一節 唾液涕泪の基礎理論

人身は津液を以って本と為す,津液は五臓に分化する,
肝では泪,心では汗,脾では涎,腎では唾,肺では涕,是れを五液と謂う,
腎は五臓の陰津の根本であるから,五液は又腎によって主さどられる。

人の口は華池である,
口中の津液を玉泉と謂う,
舌は霊根と謂う,
玉泉の清涎は霊根を灌濡する,
其の中の,は脾津なり,
は腎液なり,
涎は口から出るゆえ,口は脾の竅である,

足の太陰脾経は又“舌本に連り”,“舌下に散る”,故に涎は脾に属し,脾は摂涎を主る。
金津、玉液は唾の竅であり,舌根部に位する,
舌根は腎に属し,腎の経脈は“舌本を挾む”,故に唾は腎に属し,腎は司唾を主る。
故に《素問·宣明五気篇》では説く:“脾は涎なり”,“腎は唾なり”。
又,五穀が口に入ると,津液は各其の道を走る,
但し“腎は蔵水を主り,五臓六腑の精を受け之を蔵す”
此れに因って,五液の化源は脾にあると雖も又総司するのは腎である,
故に唾,涎の二液は脾腎の制約を受ける。
如えば《霊枢·寒熱病》に曰く:“舌縦(ゆる)んで涎下し,煩悗すれば、足の少陰(腎)に取る。”
以上の説明で唾、涎は脾腎と密切な関系にあり,脾、腎の疾病は必ず唾、涎に反映される,
故に唾、涎に異常があれば脾、腎の疾病に対して一定の予診となる。

は目の液にして,目は泪の道なり,
目は肝の竅なれば,泪と肝の関系は最も密切なり,
また一方で,腎は五液を主り,五液は皆腎に従う,
腎は水を主り,五臓六腑の精を受け受け之を蔵す,
此れに因って,泪は又腎を源とする。
又《霊枢·口問》篇に説く:“目は,宗脈の聚る所なり”。
《素問·解精微論》に説く:“心は,五臓の専精なり,目は其の竅なり。”
目は肝の竅のみならず,亦心の竅でもあり,又心の使でもあると説明される(《素問·大惑論》に説く:“目は,心の使なり”)
故に目と心の関系も亦甚だ関聯している。
此れに因って心が動けば泪が出る,
如えば《霊枢·口問》に曰く:“故に悲哀憂愁すれば心動じ,心動ぜば五臓六腑が皆揺れる,揺れれば宗脈に感じ,宗脈が感ずれば液道が開き,液道が開けば泣涕が出る。”
以上で泪と肝、心、腎の関系はことごとく密切であると説明される,
肝心腎の病態は皆目に反映され,并せて泪の異常となって表現される。

は鼻より出る,鼻は肺の竅なり,涕は鼻の液なり,故に涕は肺が司る所である,
然し涕は又精の変化したもので,上は脳から滲み,下では腎により摂納される,
故に脳液が下滲し,腎が摂納を失すれば皆涕出の異常となる,
故に涕と肺、脳、腎とは密切に関系する。
此の外,涕と泪は又皆心の液にして,共に心の引動し易い所なり,
泪は目より生じ,涕は鼻より下るだけである。
実際上は心が動く時には皆涕泪ともに下る,
場所が違えば、泪泣は水津に偏り,心腎に重くなり,涕は濁液に偏り,脳肺に重くなる。
所謂 “脳が滲みて涕となる”
(《素問·解精微論》に曰く:“泣涕するのは脳なり,脳は陰なり,髄は骨の充なり,故に脳が滲みれば涕となる。”)
然し涕は鼻より出て,涕は肺の液だから,一般に涕の異常の多くは肺にある,
故に《霊枢·五[病<隆-丙]津液別》篇に指出される:“心と悲気が并されば心系は急となり,心系が急なれば肺が挙り,肺が挙れば液は上から溢れる”。

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