桂枝新加湯証2
便秘
(この一文は湯本求真の『皇漢医学』を中医師が読んで重要視した例です。おそらく吉益南涯の治験だと思いますが、それを日本人である私が又感服して逆に教えられているという訳です。)
医案:一老人が大便不通となって数日のこと,上逆して頭眩したのを,医は備急丸を與えたところ苦しむばかり,因って分量を倍加して投じた,下利は得られたが,是のために身体は麻痺し,上逆は益々甚しくなり,大便は復た結ぼれた。
医を更(か)えて之を診て,大承気湯を與えた,一服して,下利を得ず,さらに三帖を服したら,下利すること盆を傾けるが如し,身体は冷痛し,臥するを得ず,大便は復(ま)た結ぼれた。
又転医して地黄剤を作り服し始めるや,上逆は尤も劇しくなり,面色は醉うた如し,大便は益々通ぜず,是れにより先生に治を請う。
先生之を診て,心下が痞硬し,少腹は無力である,とて桂枝加芍薬生姜人参湯を與えて服させた。
三帖にして,冲気はすぐに降り,大便が快通した。
二三日を経過して,冷痛は止まり,臥すを得て,大便は続いて快通している。
二旬の后,諸証は去りて常に復した。
(《皇漢医学肥956;76)
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