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桂枝新加湯証3

《臨証実験録》 帯下

楊某,女,27歳,張野農民。
流産の手術時に失血が多かったが,もともと体が丈夫だったので,あまり調理を重視しなかった。
十日ほど経って,白帯が注下した。
腥臭あり清稀で,少腹が痛み,腹中の気が上り冲逆し,悪心して吐きにかかった。
温かいのが良くて寒いのは苦手だった。
手指で冷たいものに触れると抽掣疼痛した。
常に厚被で身を裹み,裹むとすぐに発熱して汗が出た。
或いはちょっと動いただけでも汗が津津と出て,腰脊は酸痛し,体は倦く疲れた。
其の舌を視れば,紅潤で苔が少い。
其の脈を診れば,細緩で無力。
其の腹に触れれば,臍悸して痛み,少腹が攣急して圧すのを拒む。
脈症分析:発熱して,汗出で,悪寒し,脈象が細緩なのは,営衛不和,気陰両虚である。
営衛不和なら,桂枝湯を用いて和すべきだし,気陰不足を兼ねれば,桂枝新加湯で和益するのが宜しい。

 桂枝10 白芍・党参15 甘草6g 生姜10片 紅棗5枚 三剤

二診: 帯下は大いに減り,腹痛、冲逆等の症も均しく軽くなった。
まだ時に発熱し,自汗が出て,口渇して飲みたがるので,原方に天花粉15gを加え ,四剤を服して愈えた。

按: 《傷寒論》62条に云わく:“発汗后,身疼痛し,脈沈遅なる者は,桂枝加芍薬生姜各一両、人参三両新加湯が主る。”とは出汗后も表は未解で,気陰虚の症状であることを指している。
今 帯下が注ぐ如きとは,汗出過多と同じである;
少腹疼痛も亦 気血不足して、筋脈失養の身疼痛と同じである。
倶に気陰虚損の象で,且つ営衛不和である。
故に桂枝新加湯を借りて治す。
腹診で圧えるのを喜ぶのは虚で、圧えるのを拒むのは実だという説があるが,本案の腹筋拒圧は,病邪が裏に結んで,痛位が固定する場合とは異る。

李映淮老師の評語: 脈症より観て,陽虚で寒湿が胞宮に侵入していれば,先ず桂枝加附子湯類の方剤を考慮すべきである。
“帯下が注ぐが如きは,汗出過多と同じく,少腹疼痛も亦 気血不足、筋脈失養の身疼痛と等しい。”
此れを理解すれば,経方の使用範囲は大きい!

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