« September 2010 | Main | November 2010 »

清燥救肺湯

「ためしてガッテン」2010年10月20日放送のテーマは「カゼ?それとも窒息?長引くセキが招く危険」でした。
大人のぜんそく(別名、慢性はく離性好酸球性気管支炎)による“窒息死”もあるよ、という警告。

実は17年前に亡くなった私の母がそうでした。
一週間ほど前から続いていた咳が、次第に呼吸困難へと激化していきました。
乾いた痰の無い咳でした。
「たかが咳ぐらい」と軽く考えていました。
近所の医師にはかかっており、きちんと服薬もしていました。
しかし一向に良くならず、これはもっと大きな病院へ行って調べてもらわなくてはならないなと云っていた矢先のことでした。
口乾と呼吸困難が起こり始めたので、急いで病院へ駆けつけた途中で窒息死してしまいました。
あっけない最期に茫然としました。
死因は肺炎なのか何なのか不明のままでした。

ひどくなった咳を見かねて、私も最期の数日間は一生懸命に考えて幾つかの漢方処方を飲ませたのです。
残念ながら処方は的中しませんでした。
あれ以来長年、後悔の念が続いています。
折に触れ、あの時の状況を思い出しては「あの時どんな処方が良かったのか?」と反省していました。

それが20日の「ためしてガッテン」を見て初めて死因が喘息で、別名が慢性剥離性好酸球性気管支炎による窒息死であったと確信できました。
現代医学ではステロイド吸入薬で治療することが出来るそうです。

そして今なら思うのです、あの時「清燥救肺湯」を使えば救えたのではないかと。
後悔は先に立たずとも、今後のために一筆したためておきたい。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

清燥救肺湯 《医門法律》
(桑葉9 石膏8 甘草・胡麻仁・阿膠・枇杷葉3 人参・杏仁2 麦門冬4)37

清燥救肺湯は温病のひとつである“温燥病”の処方で、「温燥傷肺の重証」に使います。
秋令の干燥した気候が原因で、肺が熱灼され 気陰両傷の状態になっています。

ここで桑葉と枇杷葉のふたつの葉類を使う所に極意があります。
何故なら燥病は肝肺二経にまたがる病だからです。
桑葉は「肺家の肝薬」と呼ばれ、質が軽く寒性である所から「肺中の燥熱邪を清透する」作用があります。
枇杷葉は「肝家の肺薬」と呼ばれ、やはり質が軽く寒性です。
また石膏・麦門冬の甘凉滋潤と合わさり「清金保肺」の効果をもたらします。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

中途覚醒

中途覚醒は色々な云い方をされています。
例えば清晨失眠症、末期失眠症、早醒(早覚醒)、浅睡性失眠、間断性失眠、早醒性失眠、終点失眠などです。
そしてこれは脳の松果体のカルシウム化によるメラトニン分泌の減少に関係していて老化現象の一つ(老年性失眠)だからどうしようもないとも云われています。
しかし本人にしてみれば大変つらい事です。
以前、中途覚醒に甘麦大棗湯が良いのではないかと書きましたが、今回は別の処方です。

Continue reading "中途覚醒"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

舌の痛み(舌痛症)

●中医では“舌痛”の原因を次の様に考えています。

1.老化による肝腎虧虚で気血運行渋滞・脈絡受阻
2.情志不暢による肝鬱化火・肝火上擾
3.体弱多病による気血虚弱 で舌の筋脈を濡養出来ず舌痛を発生する。

●発病の機序は

1.心火亢盛
情志不舒により肝鬱化火となるか、
或いは辛辣醇酒を過食して,食積が熱化して,
心火が上炎し,舌体を灼傷し,血熱淤阻となり,通ぜざれば則ち痛む。

2.脾虚失運
飲食に傷つき,脾気が失運するか,
或いは水湿が内蘊し,経絡が阻滞し,気虚血淤となり,通ぜざれば則ち痛む。
或いは水穀を消化できず,精血が不足して,舌体失養のため痛む。

3.肝胆湿熱
脾虚湿停から,湿鬱化熱となり,湿熱が肝胆を熏蒸するや,肝胆の経脈は舌の両側を巡るゆえ,経脈が淤阻すれば,通ぜざれば則ち痛む。

4.陰虚火旺
老化による腎虧か,
或いは思慮過度のため,心腎を暗耗すると,陰虚火旺となり,虚火は上炎して,舌を灼き痛む。

Continue reading "舌の痛み(舌痛症)"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

白色癜風と黒色癜風

ウィキペディアでは次の様に説明されています。

癜風(でんぷう)は表皮に発症する真菌感染症。
淡褐色斑(黒色癜風)あるいは脱色素斑(白色癜風)、好発部位は背部、胸部、頸部、上腕、腋窩などで、春から夏にかけて発症および悪化しやすく、かゆみは伴わないことが多い。
皮膚の常在菌の一つで酵母に属するマラッセジア属(マラセチアとも)が原因で、これらの真菌は皮脂を好む。
黒色癜風を黒なまず、白色癜風を白なまずともいう(原因の異なる尋常性白斑も俗に白なまずという)。
治療にはミコナゾール、イトラコナゾールなどイミダゾール系の抗真菌薬が用いられる。

ちょっと待った!
原因の異なる尋常性白斑も俗に白なまずという)、これに注意してもらいたい。
黒と白のふたつの癜風と「尋常性白斑(白なまず)」とは全然違うものである。

Continue reading "白色癜風と黒色癜風"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

下肢血栓性静脈炎

先日、80歳ほどの老婦人から「下肢に何か出来て治らないが治療法が無いか」と相談を受けました。
見ると片方の脛の正面中央が縦に10cmほど、赤くなり熱を持って硬く腫れています。
さて、この硬い腫れは何だろう。
皮膚科では丹毒だといわれ、抗生剤を貰ったが効かなかったそうだ。
別の皮膚科では静脈×(?)といわれて鎮痛薬を貰ったがこれもダメだったと。
私としても見て分からなかったが、兎も角このまま放っておくわけにはいかない緊急性を感じたので、明日にでも大きな病院へ行って調べてもらって下さい、これはそれ迄のつなぎですといって 黄連解毒湯エキスを一日分持って行ってもらった。
病院の治療を受けても治らなかったら もう一度お出でください、それまでに調べておきますからと。

帰られた後でふと、若しかしたらあれは下肢血栓性静脈炎ではなかったろうかと気が付きました。
以前見たことのあるそれは「片足が丸太のように腫れ、紫黒色に熱を持ち、つっぱって歩けなく」なっていたものでした。
さっきのあれは、そのようになる前の初期状態の静脈炎ではなかったろうか?
見抜けなかった反省から、中医学ではどのように対処すればよいのだろうか調べてみました。

南京中医学院の『中医外科学試題』という問題集に、下肢血栓性静脈炎に用いる処方をあげよという問題がありました。
答えは“卑解化毒湯”という処方になっています。
この処方は『瘍科心得集』に載っている処方で、次の様な内容です。

 卑解・当帰尾・牡丹皮・牛膝・防己・木瓜・意苡仁・秦九

主治は『外廱を治す。局部が紅腫熱痛し、多くは下部に生じて湿熱に属する者』と辞書にあります。

Continue reading "下肢血栓性静脈炎"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

脱髪(脱毛・抜け毛)

脱毛の原因は中医学では次のように分類されている。

1、腎精不足
2、脾気虧虚
3、淤血阻絡
4、血虚不栄
5、肺熱毛脱
6、血燥生風
7、湿熱熏蒸
8、肝陰虚陽亢

これで総てが網羅されているかと思っていたら、もうひとつあるようだ。

---

Continue reading "脱髪(脱毛・抜け毛)"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« September 2010 | Main | November 2010 »