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舌の痛み(舌痛症)

●中医では“舌痛”の原因を次の様に考えています。

1.老化による肝腎虧虚で気血運行渋滞・脈絡受阻
2.情志不暢による肝鬱化火・肝火上擾
3.体弱多病による気血虚弱 で舌の筋脈を濡養出来ず舌痛を発生する。

●発病の機序は

1.心火亢盛
情志不舒により肝鬱化火となるか、
或いは辛辣醇酒を過食して,食積が熱化して,
心火が上炎し,舌体を灼傷し,血熱淤阻となり,通ぜざれば則ち痛む。

2.脾虚失運
飲食に傷つき,脾気が失運するか,
或いは水湿が内蘊し,経絡が阻滞し,気虚血淤となり,通ぜざれば則ち痛む。
或いは水穀を消化できず,精血が不足して,舌体失養のため痛む。

3.肝胆湿熱
脾虚湿停から,湿鬱化熱となり,湿熱が肝胆を熏蒸するや,肝胆の経脈は舌の両側を巡るゆえ,経脈が淤阻すれば,通ぜざれば則ち痛む。

4.陰虚火旺
老化による腎虧か,
或いは思慮過度のため,心腎を暗耗すると,陰虚火旺となり,虚火は上炎して,舌を灼き痛む。

●治療法は

1.気虚血淤型
 舌が痛み,また痺れる,胸がたいそうで、心悸や息切れをする、食欲不振で腹脹があり,舌体は胖大となり,辺に歯痕があり,舌質は淡でやや紫か,或いは淤点や淤斑があり,舌苔は薄白く,舌下静脈は曲張して淤紫,脈は細か或いは細渋である。

補気活血、通絡止痛の治療原則から,方は血府逐淤湯加減を用いる。

黄耆、赤芍薬、桃仁、紅花、当帰、川弓、牛膝、桔梗、枳殻、柴胡、地竜、水蛭、甘草、延胡索

2.心火亢盛型
 舌痛は劇烈で,舌尖痛が主であり,口干灼熱し,情志不舒となり,猜疑心多く,怒り易く,失眠して多夢,大便は干結し,舌苔は黄燥で,舌質は紅く,脈は数で力がある。

方は導赤散合黄連解毒湯を用いる。

生地、竹葉、甘草梢、麦門冬、黄連、炒黄岑、炒知母、黄柏、炙遠志、酸棗仁、赤芍薬、牡丹皮、炙乳香、没薬

此の型は更年期の婦女に最も多い。

3.肝胆湿熱型
 舌痛は舌の両側縁が甚しく,胸脇は脹満し,口が苦く咽は干き,食欲が少く悪心あり,舌苔は黄膩で,舌質は紅く,脈は弦数である。

方は竜胆瀉肝湯加減を用いる。

竜胆草、黄岑、柴胡、山梔子、沢瀉、車前子、炙乳香、没薬、当帰、生甘草、茵陳、茯苓、白朮

此の型も更年期の婦女に多い。

4.肝腎陰虧型
 舌痛は舌根部が多く,口内が灼熱して,燙傷の如き感じで,口唇は干燥し,潮熱し盗汗があり,心悸と健忘,頭暈と耳鳴り,腰がだるく力なく,苔は薄く津液が少なく剥苔があり,舌質は紅いか裂紋があり,脈は細無力である。

知柏地黄湯加炙亀板、阿膠、肉桂、甘草

肝腎陰虧は虚火上炎が,舌を灼く。
此の型は更年期の婦女 及び老人に多く見られる。

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