« 脱髪(脱毛・抜け毛) | Main | 白色癜風と黒色癜風 »

下肢血栓性静脈炎

先日、80歳ほどの老婦人から「下肢に何か出来て治らないが治療法が無いか」と相談を受けました。
見ると片方の脛の正面中央が縦に10cmほど、赤くなり熱を持って硬く腫れています。
さて、この硬い腫れは何だろう。
皮膚科では丹毒だといわれ、抗生剤を貰ったが効かなかったそうだ。
別の皮膚科では静脈×(?)といわれて鎮痛薬を貰ったがこれもダメだったと。
私としても見て分からなかったが、兎も角このまま放っておくわけにはいかない緊急性を感じたので、明日にでも大きな病院へ行って調べてもらって下さい、これはそれ迄のつなぎですといって 黄連解毒湯エキスを一日分持って行ってもらった。
病院の治療を受けても治らなかったら もう一度お出でください、それまでに調べておきますからと。

帰られた後でふと、若しかしたらあれは下肢血栓性静脈炎ではなかったろうかと気が付きました。
以前見たことのあるそれは「片足が丸太のように腫れ、紫黒色に熱を持ち、つっぱって歩けなく」なっていたものでした。
さっきのあれは、そのようになる前の初期状態の静脈炎ではなかったろうか?
見抜けなかった反省から、中医学ではどのように対処すればよいのだろうか調べてみました。

南京中医学院の『中医外科学試題』という問題集に、下肢血栓性静脈炎に用いる処方をあげよという問題がありました。
答えは“卑解化毒湯”という処方になっています。
この処方は『瘍科心得集』に載っている処方で、次の様な内容です。

 卑解・当帰尾・牡丹皮・牛膝・防己・木瓜・意苡仁・秦九

主治は『外廱を治す。局部が紅腫熱痛し、多くは下部に生じて湿熱に属する者』と辞書にあります。

その他には

清熱利湿治療 下肢血栓性静脈炎

治療: 益気・活血清熱利湿法

薬用: 黄耆、沢瀉、黄柏、牛膝、金銀花、香附、地竜

如何用中医治療 血栓性静脈炎

北京京壇医院の中医治療は活血散淤・解毒通絡を原則とする。
血栓性静脈炎は臓腑の蘊毒積熱が営血熱淤と血流滞緩をもたらし,そこへ創傷感染という外因が加わって,毒邪が血管に走散拡入し,経絡へ流注したものである。
その病機は血脈淤滞・脈絡不通で、淤熱毒邪が結聚したものである。

1、化淤利湿湯
 沢蘭・金銀花・丹参・意苡仁10 連翹・当帰5 穿山甲・桃仁4 通草2 水蛭3

2、股腫湯
 丹参・白茅根・牛膝5 当帰・沢瀉4 川弓・黄柏・蒼朮・牡丹皮3 血竭2

加減変化: 病程の后期,+生黄耆・党参・茯苓・三稜・莪朮・沢蘭・地竜,-黄柏・蒼朮・木通;

血栓性静脈炎 中医療法

  【辨証】 湿熱下注
  【治法】 清熱利湿,芳香化濁

  【方名】 茵陳赤小豆湯

  【組成】 茵陳10 赤小豆・苦参4 炒意苡仁8 沢瀉・炒蒼朮・炒黄柏・防己・佩蘭・木通・白豆寇3 生甘草1

  【出処】 李廷来方

血栓性静脈炎(秘方数:10)

急性発作期には血熱壅滞,絡損致淤が多い,凉血清営化淤法を応用する;
如し風熱或いは湿熱に遇い淤となる者は,去風清解化痰法を選ぶ。
慢性階段には気虚淤留湿滞の証が多い,益気活血利湿法を常用する。

1 清営解淤湯

【功能主治】
    功能 清湿絡熱,凉血解淤消腫。
  主治 急性血栓性深静脈炎の熱壅証。

【処方組成】
    益母草20 紫地丁・生甘草10 紫草・赤芍・牡丹皮5 生大黄2 三七粉1(呑)

【辨証加減】
    熱腫が顕著で,舌質紅,脈滑数,熱偏重者 +牛角片10 生石膏20 柴胡5;
   灼熱腫痛が已に減退した者 -紫地丁・生大黄,+生黄耆・茯苓皮10

【処方来源】
    上海市虹口区中心医院奚九一

2 張氏方

【功能主治】
    功能 清熱化淤通絡。
  主治 血栓性浅静脈炎の局部条索、紅腫疼痛。

【処方組成】
    生黄耆30克、当帰尾・金銀花・蒲公英5 桃仁4 甘草・赤芍・紅花・皀角刺・穿山甲・水蛭3 虻虫2

【辨証加減】
    痛みが甚しければ +乳香・没薬3;
   紅腫明顕なら +紫地丁・玄参・天花粉3

【処方来源】
    海軍総医院張栄増

|

« 脱髪(脱毛・抜け毛) | Main | 白色癜風と黒色癜風 »

優良処方データーベース」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 下肢血栓性静脈炎:

« 脱髪(脱毛・抜け毛) | Main | 白色癜風と黒色癜風 »