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中途覚醒

中途覚醒は色々な云い方をされています。
例えば清晨失眠症、末期失眠症、早醒(早覚醒)、浅睡性失眠、間断性失眠、早醒性失眠、終点失眠などです。
そしてこれは脳の松果体のカルシウム化によるメラトニン分泌の減少に関係していて老化現象の一つ(老年性失眠)だからどうしようもないとも云われています。
しかし本人にしてみれば大変つらい事です。
以前、中途覚醒に甘麦大棗湯が良いのではないかと書きましたが、今回は別の処方です。

還少丹《洪氏集験方》」、別名「滋陰大補丸《医学正伝》」というのがあります。

中国の中薬部頒標凖によれば

【処方】
(熟地黄・山薬・大棗6 牛膝・枸杞子・山茱萸・茯苓・杜仲・遠志・巴戟天・五味子・小茴香・楮実子・肉從蓉4 石菖蒲2)64

【功能主治】
温補脾腎,養心安神。
心腎脾胃の四経虚損を大補する。
久服すれば能く軽身還童となる。
性機能低下,老年痴呆症 等の治療に用いる。

その他、次への効果が認められている。
①腰膝酸軟;②疲倦乏力;③畏寒肢冷;④夜尿頻;⑤自汗;⑥気短(息切れ);⑦大便清薄;⑧脱髪及び髪白;⑨健忘;10歯揺;11性欲減退;12睡眠欠佳 或いは失眠;13易感冒;14暈眩;15震顫;16耳鳴

【故事】
明代の崇禎年間に,劉員外という60歳ほどの男がいた。
子が無く,去年 20歳の新婦を娶った。
三ケ月のちに劉員外は病気になった。
先ず疲倦,耳鳴,健忘,心悸,小便は白濁して淋漓,飲食が進まず,口から清水を吐き,形体は羸痩した。
四方に医を求むも無効で,奄奄と息を切らしている。
家人は彼を連れて万寿宮へ神を求めてやって来た。
万寿宮の道士はこれを見て,他に“還少丹”という薬丸を与えて飲ませた。
劉員外は道士の“仙丹”を服用し終わるや,飲食は大いに進み,元気が奮いたち,以前とは別人のようになりました。

この事件を若かりし喩嘉言(明末清初の著名な医学家)が聞いて,道士に教えを請いました:
“還少丹とは何ですか?”
道士の口から出てきたのは十数味の中薬で,すべて温腎暖脾の薬ばかりでした。
道士は喩嘉言が聡明で好学の士であることを見て取り,更に詳細に教えました:
“飲食男女は,人の大欲なり。食欲と性欲は人の正常な欲望である。注意しないと少しずつ衰えるのを防ぐ事が出来ない。すぐに腎陽虚、脾陽虚になってしまう。温腎補脾こそ老人にとって返老還童の方法である。故に還少丹と称すると。”
喩嘉言はいたく感じ入り,還少丹を用いて多くの病人を癒した。
病例は《寓意草》の中に記載してある。

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