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肝火犯肺(2)

肝气犯肺所致咳嗽的辨证治疗

肺は五行では金に属し,肝は木に属し,生理情況下では金克木の関係がある。
肺気が粛降すれば肝気が過度に亢盛となるのを防止し,人体の気機升降は協調し,臓腑の功能は正常となる。
それが病理情況下では,木が金を反対に侮って,木火刑金すなわち,肝気犯肺の病証を引き起こす。
もともと金が虚しており 木がこれを侮ると,病変の重心は肺金の不足にあり,木気が相対的に亢盛となる。
臨床的には (1)燥邪犯肺,木火刑金,(2)痰飲内停,肝気犯肺,(3)肺陰不足,肝火刑肺の証候がある。
また肝旺が先にあり肺を侮れば,病変の重心は肝気亢盛であり,それが肺金を反侮している。
臨床的には(4)少陽失和,肝旺侮肺,(5)肝経火旺,木火刑金の証候がある。

(1)燥邪犯肺,木火刑金

肝旺の人は,秋令に燥邪を感受したり,風寒・風熱の邪に外感して、それが化燥し,肺衛失宣となったりして,干咳無痰を引起す。
痰は少くて黏で,咳嗽は劇烈で,声高く連連と続き,面紅く目赤,舌紅,苔薄黄,脈浮緊。
これは 燥邪犯肺,肺気被遏,肝気亢盛,木火刑金によるものである。
治は宣肺潤燥,瀉火平肝。
方は桑杏湯加麦門冬・柴胡・青黛

例1 尹某,女,33歳。2001-08-23初診。
感冒にかかり2周,初めは畏寒し,鼻塞流涕,咽喉痒痛があったので,銀翹片を服して后 表証は緩解したが,咳嗽は更に劇しくなった。
初診: 咽が痒くなり咳込み,咳声は切れ目がない,痰色は黄色く黏り,面紅く目赤,舌尖は紅,苔薄黄,脈浮数。
証は燥邪犯肺,木火刑金に属する。
治は宣肺平肝。
方は桑杏湯加味
薬物組成:
(桑葉・杏仁・沙参・麦門冬5 象貝母・柴胡4 淡豆鼓・山梔子・梨皮・青黛(包煎)3 甘草2)42

服薬3剤の后、咳嗽は大いに減り,諸症は皆愈えた。

(2)痰飲内停,肝気犯肺

咳嗽気喘を反復し,大量の白色清稀泡沫痰を吐く,形寒肢冷,形体消痩,面色淡白。
毎年、秋冬の季節や天気転凉になると発し,発する時は悪寒発熱,鼻塞がり清涕を流し,咳喘劇しく,吐痰がひどくなる。
咳嗽の重い時は胸脇疼痛を引起し,煩躁不安,頭暈目眩がある。
これは単に外寒内飲だけではない。
若し小青竜湯のみを単用すれば収効し難い。
痰飲停肺によるが,飲は陰邪で,病程が長く,肺気は受損し易い。
肺気が傷つけば,肝気を克制できず,肝気は亢盛となり,肺金を反侮するので,胸脇疼痛・煩躁・眩暈等の肝経現象を現す。
この化痰に当たっては,疏肝平肝薬物を加えたほうが宜しい。

例2 李某,女,65歳。2004-12-28初診。
長期間、咳嗽気喘を反復し,咳声は重濁で,痰多く質は黏,形体消痩し,咳嗽時には胸脇が疼痛し,頭暈目眩,舌苔白膩,脈弦而滑である。
証は痰飲内停,肝気犯肺に属す。
治は化痰止咳,疏肝平肝。
方は小青竜湯加味。
薬物組成: (麻黄・干姜・柴胡3 桂枝・白芍薬・五味子5 半夏4 甘草・細辛2)32
服薬5剤にして痊愈した。

(3)肺陰不足,肝火刑肺

各種原因によって肺陰虧損が引起されると,肺失粛降,肺気上逆となり,干咳無痰,或いは痰少く黏る等の症状が現われる。
兼ねて五心煩熱を現し,形体消痩,舌紅,無苔か少苔,脈細数等の陰虚症状を現す。
これは肺陰虧損が本であり,肝火犯肺が標である。
治は滋陰を主とし,瀉肝を佐とする。
方は沙参麦門冬湯加 青黛・山梔子

例3 李某,女,58歳。2001-11-02初診。
咳嗽が久しく,疏風解表薬を服用したが無効だった。
平素の形体は消痩で,五心煩熱,痰少く声重,舌紅く少苔,脈弦にして細。
証は肺陰不足,肝火刑肺に属する。
治は滋陰補肺,平肝抑木。
方は沙参麦門冬湯加味。
薬物組成: (沙参・麦門冬・天花粉・白扁豆・青黛・山梔子5 玉竹・桑葉4 甘草2)40
服薬6剤にして痊愈した。

(4)少陽不和,肝気犯肺

外邪を感受した后、病情が遷延して,邪入少陽となり,少陽経の気が不和となり,肝気は偏旺し,肺金を反侮した。
肺は和降を失し,肺気は上逆して咳嗽が止らず,兼ねて寒熱往来,胸脇苦満,口苦,咽干,目眩等の少陽証を現わした。
続いて少陽証が消失したが,咳嗽だけが次第に重くなった。
これは少陽不和,肝気犯肺である。
治は和解少陽,降肺止咳。
方は小柴胡湯加減

例4 王某,男,37歳。2000-03-21初診。
咳嗽が2个月余り続いており,干咳無痰,その音声は高く,咳嗽をする時には両脇に牽引して疼痛し,口苦,咽干,目眩,苔薄黄,脈弦にして細。
辨証は少陽不和,肝気犯肺に属する。
治は和解少陽,降肺止咳。
方は小柴胡湯加減。
薬物組成: (柴胡・半夏・粳米4 沙参・黄岑・枳殻・紫苑・枇杷葉5 甘草2)39
服薬3剤にして痊愈した。

(5)肝経火旺,木火刑金

肝気鬱結,気鬱化火,木旺侮金,肺絡損傷により,肺気上逆して咳嗽が長引き,痰は出にくく,咳をすると面が紅くなり,胸脇が疼痛し,心煩,口苦,急躁易怒,小便黄赤,舌紅,苔黄,脈弦数。
治には清肝瀉火,化痰止咳。
方には瀉白散合黛蛤散加減

例5 張某,男,42歳。1993-07-12初診。
平素から性情は急躁だったが,咳嗽が長引き,舌紅,苔黄,脈弦数。
証は肝経火旺,木火刑金に属する。
治には清肝瀉火,化痰止咳。
方には瀉白散合黛蛤散加減。
薬物組成: (桑白皮・地骨皮・粳米・青皮・陳皮・五味子・茯苓・青黛(包煎)5 海蛤殻7 甘草2)49
服薬4剤にして痊愈した。

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