高血圧
中医では高血圧を四个の類型に分けて認識しています。
A: 実証
(1)肝陽肝火、上亢上炎型
頭暈頭脹、面紅耳赤、心煩易怒、舌紅、脈弦有力。
これは「清肝瀉火法」を取らなければなりません。
西薬治療でβ阻害剤などが選択される場合です。
(しかし実際には西洋医は高血圧と見さえすれば誰にでもβ阻害剤を投與していますが、)
方剤は天麻鈎藤飲、夏枯草などになります。
(2)痰湿内阻型
頭暈、頭痛,但しこの頭暈頭痛は頭沈重を特徴とし,布で裹(つつまれ)た感覚,頭疼、頭暈沈重感で,なお胸悶、腹脹、食欲不振、肢体麻木、身重倦怠、嘔吐痰涎、舌苔白膩、脈搏弦滑。
これは「化痰去湿法」を取らなければなりません。
方剤は半夏天麻白朮湯などになります。
B: 虚証
(3)陰虚陽亢型
頭暈頭痛は空痛の感覚,耳鳴、健忘、五心煩熱、心悸失眠、咽干舌燥、双目干渋、舌紅、脈搏沈細弦。
これは「滋陰降火法」を取らなければなりません。
方剤は知柏地黄丸などになります。
(4)陰陽両虚型
頭暈、目花(かすみ目)、腰膝酸軟無力、面色蒼白、心悸気短、神脾乏力(心神と脾気)、大便溏薄,男性は陽萎遺精、四肢怕冷、舌質淡、脈沈細無力。
これは「兼顧陰陽,要両益陰陽法」を取らなければなりません。
方剤は桂附八味丸などになります。
この四个証型以外にも,淤血、肝風内動証などがありますが、それは上記の四証型に上乗せすれば済みます。
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このように単純化すればおおよそ自分がどの型に分類されるか分かると思います。
先天的な虚弱者や老齢者の多くは B: 虚証に含まれ、中でも多いのは(3)陰虚陽亢型です。
陰虚陽亢の陰虚とは腎陰の虚を指し、陽亢とは心陽の亢奮を指します。
もし頭暈、頭痛、心悸、失眠、煩躁、耳鳴、肢麻、腰膝酸軟などの症状があれば最初に陰虚陽亢型ではないかと疑ってみたらよいでしょう。
本来は「心腎が相い交わり」、腎水が心火を救う(水火既済)ようになっていなければなりません。
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