毛嚢炎
息子(成人)が頂頭部に湿疹のようなものができて痒いという。
見ると、なるほど湿疹だろう。
赤みを帯びて少し飛び出ているのが数個ある。
引っ掻くからか、かさぶたが付いているようにも見える。
そこで消風散エキスを与えた。
2、3日飲んだが変化が無い。
彼は皮膚科を訪れて相談した。
すると医師は老人性のイボだろう、薬焼するしかないという。
ガッカリして帰ってきたので、もう一度 漢方薬を試してみようと云う事になり、やはり湿疹と考えて竜胆瀉肝湯の加味方を飲ませた。
しかしやはり効果が出ない。
ほとほと困った末に、もしかしたら毛嚢炎ではなかろうか? と気付いた。
そこで中国のネットを探してみると幾つか出ている。
その中から良さそうなものを選んで、熱毒夾湿型の「五味消毒飲合黄連解毒湯加減」というのを使うことにした。
(蒲公英・金銀花・連翹・紫花地丁4 野菊花・黄岑3 山梔子・黄連2 土茯苓・白花蛇舌草7 生甘草1)41
すると何と、飲んだその日から良くなっていくのが分かるという。
どんどん飲んでいくと、みるみる良くなって消えていった。
効く時はこんなものである。
後で日本のネットを見ると、十味敗毒湯+黄連解毒湯+排膿散及湯などが候補に挙げられている。
まあ既製品の中からしか選べない故、そんなところだろうか。
因みに、毛嚢炎(毛包炎)は毛包(毛穴の奥で毛根を包んでいるところ)にブドウ球菌が感染して起こる皮膚病の一つで、赤みが強く張りがあり、多少の痛みがあるのが特徴で、ひどいと膿を持つそうです。
そう云われてみると湿疹なら平らなはずです。
それがやや硬く赤い丘疹のようになっている所が違っている。
‥‥‥
ところで 薬草を煎じる漢方だと色々と工夫ができて、効果の高い処方を作ることができる。
製剤化された市販品だとなかなか思うように行かない。
私のいる富山県は昔から配置売薬で名が通っています。
そんな所から“薬都”などと偉そうにアピールしています。
更には国立大学で最も早くに授業に漢方講座を取り入れ、病院には和漢診療部も開かれました。
現在では「富山大学 和漢医薬学総合研究所」という立派な施設も出来ています。
それなのに民間では薬草漢方をやっている専門薬局は数えるほどもありません。
このままでは漢方/中医学は本当に廃れていきます。
なんとか踏み止まって伝統を伝えていかなくてはなりません。
老骨を鞭打って、いま流行のフェースブックで『漢方/中医学』というファンページを作ってみました。
なにとぞご支援ください。
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