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大逆上気とは

DIオンライン(2011. 2. 4) に「くしゃみ中心の花粉症は麦門冬湯で体質改善を」と題して、幸井俊高氏(幸福薬局)の解説が載っています。

くしゃみが抑えられずに続けて出るときは、くしゃみが下のほうからこみ上げてくるような感じがあり、顔が上気して赤くなり、目も充血し、涙がにじみます。鼻水がたれてきて、咳が出ます。

こういう場合は、麦門冬湯(ばくもんどうとう)が効果を発揮します。麦門冬湯は、「肺陰虚証」に使われる処方です。五臓の「肺」つまり呼吸器系や上気道が乾燥しているときに、潤いを与えてくれます。

 今回の症例の、くしゃみ、目の充血や涙、赤面、鼻水などは、肺陰虚体質のために乾燥した肺、上気道、鼻腔など、からだの上部が、刺激に対して敏感になっているために生じやすい症状で、「大逆上気(たいぎゃくじょうき)」といわれるものです。乾燥した部分に気が上がってくることにより、各種の症状を生じています。乾燥している体質なので鼻水がたれても、多くは出ません。

「大逆上気」という概念を以て「くしゃみ、目の充血や涙、赤面、鼻水など」の原因とする説明には首をかしげざるを得ません。
《金匮要略》の麦门冬汤の条文には「大逆上気,咽喉不利,止逆下気者,麦門冬湯主之。」とありますが、この大逆上気とは火逆上気と書いている書物(《金匮要略论注》、《金匮悬解》)もある程で、昔から“肺痿”の処方として通用しており、肺痿には「くしゃみ、目の充血や涙、赤面、鼻水など」は伴いません。

内島玄貞保定著「古方節義」にも

咳して上逆し咽喉不利は気上逆に因て咽喉爽かならずして物ある如く通利宜しからざる也。惟痰咳水鶏聲なくして火気上逆するものなり、麦門冬湯其の火逆を止め其の上気を下す也。

と「上気による咽喉不利」である事を云っています。

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