痔の標治と本治
痔の薬で有名なのは乙字湯(柴胡・黄芩・当帰・升麻・大黄・生甘草)です。
乙字湯は専ら清熱解毒の方剤です。
即ちここに用いられている柴胡や升麻は分量が大きく主薬に当たります。
補中益気湯に含まれる少量の柴胡や升麻の補佐薬とは意味が違います。
かねてから乙字湯を痔に使う事には抵抗がありました。
この度は同じ柴胡や升麻を使っても、それが升提薬として使われている痔の処方にぶつかりました。
標治と本治の問題も含んでおり、痔を見直す良い機会かと思います。
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五苓散の解明
陳瑞春教授は著名な経方の専門家です。
臨床工作に従事すること50年近くになりますが,特に五苓散方の応用を病機より切り開かれました。
五苓散の病機で強調されるのは“気不化水”ということです。
(全身の)気化ができないと,(全身に)水津は分布されず,口渇を現す;
(全身の)水液が潴滞すると,(膀胱では)小便不利を現す;
(膀胱で)気化ができなければ,水は気化せず,尿多の証を現わす。
五苓散が多尿と少尿の両方を治せるのは,皆 気化不利という病機があるからである。
【臨床運用】
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