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胎毒について

胎便(カニババ)=胎毒 と誤解している人がいます。
赤ちゃんが産まれて初めてするウンチは黒緑色の無臭便で、これを昔から「カニババ」「カニクソ」と云いました。
飲み込んだ羊水や皮膚の剥がれた細胞、胎脂などの老廃物が溜まったものと云われています。
これはどんな赤ちゃんでも出生後12~24時間以内には自然に排泄されます。
これを一概に「胎毒」と云うのはどうかと思います。
単なる「胎便」であって、全く正常なものです。

カニババを完全に排泄させておかないと幼児性湿疹になったり、将来のアトピー性湿疹の原因になったりすると一部世間では語られています。
それでかどうかは分かりませんが、江戸時代には「カニババ下し(甘草2 黄連・大黄・紅花1 連翹0.5g)」というものを煎じて綿に含ませ、赤ちゃんに吸わせたそうです。
漢方の先駆者であった石野信安先生や小川新先生などは「胎便=胎毒」説を唱えておられ、何となくそれが通説のようになってます。
しかし古いものは必ずしも真ならずです。
そんな風習があるは日本だけで、漢方の本場である中国にはありません。

中国ネットから“胎毒”を調べると、[ 嬰、幼児瘡疖、疥癬、痘疹等... ]の病名が当てられています。
《幼幼集成》:“凡そ胎毒の発するや,虫疥、流丹、湿瘡、癰疖、結核、重舌木舌、鵝口口瘡の如きものと,胎熱、胎寒、胎搐、胎黄などである。”
孕婦が恣いままに辛熱のものや甘肥厚味のものを食したり,生活の正しいペースが失なわたりすると,それが胎児の時に毒ともなるし,生まれてからも母親の鬱怒悲思等の感情が病気の原因になるのである。(胎便が病因になるとは書かれていない。)
このように小児胎毒とは主に小児湿疹を指していっている。

新生児の体は純陽であり、肺脾の功能が失調すると体内に湿熱を形成しやすい。
それが発散されずに体表で鬱結すると小児胎毒となり皮膚アレルギーの発症となったり、小児鵝口瘡や黄疸等の疾病になることもある。

治療には一掃光薬膏(紅丹、軽粉、鉛粉、松香 、煅石膏、枯礬)を外用したり、金銀花露(金銀花を水蒸気蒸留して冰糖を加えたもの)等の清熱燥湿薬を内服したりする。

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