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陽痿(インポ)2

前陰と肝筋は密切な関係がある。
足の厥陰肝経は陰股を循り毛中に入り陰器を過ぎるので,若し経脈が病めば,陰器は不用となる。
また陰茎勃起は肝血に依頼している。
《養生方》に謂わく、陰茎が勃起して怒・大・堅・熱となるは肝血充盈の結果である。
《**》亦謂く、“玉茎不怒……怒而不大……大而不堅……堅而不熱”これは即ち肝血不充である。

 陰茎が痿んで起たず,起っても大きくならず,大きくなっても堅くならず,堅くなっても長持ちしないのには,疏肝・調肝・養肝をもって治療の要義とする,
四逆散・逍遥散・柴胡疏肝散を主方とする;

或いは蜂房・蜈蚣・九香虫を加えて通絡走竄して陽道を興す;
或いは遠志・菖蒲を加えて陽道を堅壮にする;
或いは肉苁蓉・覆盆子・巴戟天を加えて持久を助け;
或いは韭子・烏賊骨・鶏内金を加えて早泄を治す。

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 肝気鬱結案:王某,25歳。
身体は生来壮健である,結婚して3年になるが,初めての性生活が失敗してから嫁と気まずくなった,肝失疏泄となり,陰茎が起たなくなり,性欲も低下した,嫁から離婚を云い出され,ひどく悲観している。
舌質は淡紅,脈は細弦。
肝鬱不解,宗筋弛緩の証に属する。
治は疏肝解鬱に宜し,四逆散加味:
 (柴胡5 赤芍・白疾藜子7 枳殻・遠志・露蜂房3 九香虫2 蜈蚣1条)30

服薬7剤にして,性欲は明らかに増強し,陰茎が2~3分間勃起した,再進すること7剤,同房して3~5分間持続した,結婚后初めて性生活に満足した。半年后に訪ねたが,性生活はうまくいっていた。


 肝経湿熱案:楊某,35歳。
結婚后一年頃から陽事が日に衰え,挙っても無力である,平時は酒を嗜み,陰嚢が潮湿している,曽って温腎壮陽薬を服した后,口舌に瘡を生じた事がある、口苦く、面に痤瘡を生じ,脈は弦滑,舌苔は黄膩。
此れは湿熱内盛,流注肝経,宗筋弛縦に属する。
治には肝経の湿熱を泄し,苦味で堅陰するのが宜しい。
竜胆瀉肝湯加減:
 (竜胆草・山梔子2 生地黄5 黄芩・柴胡・車前子・沢瀉・地竜3 甘草1)25
 ;別に羚羊散を每日一本(0.5g)用いる。

服薬すること7剤にして,痤瘡・口苦は次第に消えていったので,竜胆瀉肝丸合湯剤に改用した,
(柴胡・白芍・枳殻・地竜3 甘草2 炙蜈蚣1条)14

4剤后に性機能が明らかに好転し,陰茎の勃起が10分間もった,再に4剤を進め,療効を鞏固にした。


 肝血瘀阻案:王某,30歳。
訴えでは2年前に腰に外傷を受け,その后陰茎の勃起が次第に無力となり,また脱毛が始まった,舌は暗淡、苔は薄黄,脈は沈弦。
即ち瘀阻脈絡に属する,治には活血行気祛瘀が宜しい:

 (柴胡・赤芍・川牛膝5 枳実・白芍・露蜂房3 炙蜈蚣1条、水蛭2)26

5剤を服した后,朝立ちや夜間に陰茎の勃起はあるが堅くない,
原方に (肉苁蓉5 丁香・紫梢花1)7
を加えて、続進すること10剤,勃起が堅硬となり,房事の持続時間が7~8分間となった。
一月后に来院して告げるには,性交持続が30分間になったよし。
前后服薬すること15剤,性功能は回復した。


《王琦治》陽痿経験

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