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急性乳腺炎(1)

ネット上ではよく「乳腺炎に葛根湯エキスが効く」という情報が流れています。
これは安易にそのまま受け取ってはいけません。
葛根湯が効くには効くような条件が揃っていなければなりません。
何かといえば「表証」のことです。
表証とは悪寒・発熱のような体表の症状のことです。

急性乳腺炎で悪寒・発熱が揃ってあれば、何を置いても先ず表証から治療を始めなければなりません。
それは乳腺炎に限らず風邪でも同じ事です。
表証が無くなれば、そのまま乳腺炎や風邪も治る事があります。
またそうではなくて表証が無くなっても乳腺炎は残り、風邪も別の症状として残っていたりします。
そのように何らかの形で病気が残存するのでは困ります。
そこで葛根湯という処方を固定してしまわないで、組み合わせを変えてもっと自由な処方へと発展させれば「表証も無くなり、乳腺炎も消える」本当の治療になります。
日本の漢方は処方を固定してしまいますが、中医学では自在奔放に処方を変化させます。
例えば次に一例を示します。

急性乳腺炎で初期に頭痛・発熱・悪寒・無汗等の表証があったものを加味葛根湯にて治療したものです。

(麻黄・桂枝・白芍・青皮・瓜蒌3 連翹・大棗5 生甘草2 生姜1 金銀花10)38
水煎服 ,毎日 1剤 ,温服して汗をかかせる。

病案挙例 劉某 ,女 ,2 5歳。
1989年 3月 4日初診。
患者は哺乳期にあった。
頭痛、発熱、悪寒がある。
体温39.7℃ ,右乳房腫脹 ,外上部が紅く腫れ、熱痛あり ,触れると内に鶏卵大の硬い塊がある ,無汗で ,乳汁が鬱して出ない ,口は渇かず ,脈は浮緊にして数 ,舌質は紅 ,苔は白い。
急性乳腺炎でも衛陽被鬱 ,風邪熱毒蘊滞の証に属す。
治療法は「解肌散邪」とする。
いわゆる“体若燔炭,汗出而散”(体表が炭火で焼かれるように熱くなったのを発汗により散らせる)という方法である。

★加味葛根湯とよく似た例が 防風通聖散の応用(3) 急性乳腺炎 に出ています。
★表証のうち発熱だけで、悪寒の無い場合も多いものです。それには葛根湯エキスは合いません。(次回に説明します)

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