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紫雲膏の蜜蝋について

この度は「紫雲膏は傷・ヤケドに使っていい軟膏か」という実験報告を読んで考えるところがあったので一文を草します。

私も真似て、たまたま体の一部に古い乾燥した湿疹があったので実験をやってみました。
紫雲膏を塗り、上にキズ絆を貼って一晩寝たところズキズキ痛みが出ました。
たまらず剥がさなければなりませんでした。
今まで安易に何にでも使えるものと思っていましたが、これは真剣に考え直さなければならないと思ったのです。
‥‥‥

以前、紫雲膏を自家製したことがあります。
その時は 胡麻油、蜜蝋、豚脂 の三者を単に柔らかさを調節する軟膏基材としか考えていませんでした。
有効なのは紫根、当帰の二つだけだと思い込んでいました。
しかしこの報告のように「ガムテープを貼っては剥がすような皮膚損傷」には効かない理由は何だろうか?という疑問から、基材としか考えていなかった蜜蝋に理由があるのではないかと気が付き調べてみました。

《本草便読》 蝋には蜜蝋と虫蝋の2種がある。蜜蜡は蜂蜜の底に溜まり、虫蜡は樹上に凝結する(五倍子や血竭)。蝋の味は皆甘淡而渋.性は皆温.入肺胃.療肺虚.養胃気。凡そ咳嗽瀉痢遺精帯濁に属して虚脱する者は.皆此の固渋を用いるべし.外科では内膜を護り.金瘡に散敷して用いる.

复兴中医网 » 中药学讨论版 » 紫云膏
蜜蝋具有収渋,斂瘡,生肌,止痛,調理的功効。外用于潰瘍不斂,臁瘡糜爛,創傷,焼、烫傷。

中国药典
蜜蝋:収渋,斂瘡,生肌,止痛。

このように蜜蝋には収斂性(乾燥性)があるので応用の対象になるのは浸出液のある「臁瘡糜爛,創傷,焼、烫傷」です。
既に浸出液が枯れてしまった乾燥性の湿疹やまだ浸出液が出ていない引き剥がし炎症などは対象から外れるのではないでしょうか?
‥‥‥

そして配合比率から見ても

 胡麻油100 紫根10 当帰10 蜜蝋38 豚脂2.5

紫根や当帰よりも蜜蝋こそが主薬のように思います。
‥‥‥

また以前 貨幣状湿疹になった時に、頭に出来た黒い疣が紫雲膏を付けていたら何時しかポロポロと欠けて、すっかり小さくなった経験があります。
これなどは疣状贅生物、胼胝、手掌角化症にも効くというケースになります。
これは蜜蝋の収斂性(乾燥性)が磨耗作用となって良い結果を生んだ逆用例になるのではないでしょうか。
‥‥‥

更に想像をふくらませると、若しアトピー性皮膚炎に紫雲膏を使うと逆効果にならないかとも考えられます。

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