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ドライアイ(目渋)

顧某,女,35歳。
二ケ月前から両目が干渋する。
特にこの二週間は干渋がひどくなり,畏光(まぶしく)怕風(眼に風が当たるのを嫌う)を伴い,視物はかすみ,両眼に力なく,目を閉じると楽になる,涙は少なくて熱く,眼瞼が痒い,頭暈があり,疲労倦怠,脇肋が隠痛し,腰膝がだるい,口が干いて微苦,飲食が減少し,大便は干き,小便は変化なく,舌苔は薄白で潤いを欠き,舌質は紅,脈象は細弦である。

中医の辨証は:肝燥証(肝陰不足,肝血虧虚,血燥生風)。
治法は:滋腎養肝,益陰潤燥,補血祛風。
処方は:杞菊地黄丸合一貫煎加減
(枸杞子・熟地黄・棘蒺藜・制首烏・天門冬・生地黄・山薬・女貞子4 白菊花・白芍3 山萸肉・丹皮・黄芩・密蒙花・青葙子・蝉衣2 生甘草1)51,5剤。

二診:両目の干渋,眼瞼の微痒以外の,他の症は明らかに好転したが,舌脈は上に同じい。
上方より黄芩、青葙子を去り,玉竹を加える。
再服すること5剤。
両目の干渋は半減し,他の症は大いに減り,舌脈は正常になった,上方から蝉衣を去り,継服すること5剤。
両目の干渋は大いに減り,他の症が消失したので,上方から蒙花を去り桑椹,山楂を加える。
7剤にて痊愈した。(《江西中医薬》1985-5-29)

【按語】本案の病機は(肝)陰虚内燥である。
肝は目に開竅し,肝腎は同源であり,肝木は腎水の滋養に頼る。
本例の患者は肝腎陰虚に因って,肝血が不足し,目は其の所養を失ったのである;陰虚すれば熱を生じ,血虚すれば燥を生じ,血燥は風を生じたからである。
腎には虚証が多く,肝には実証が多いが,肝虚者の多くは補腎をしなければならない,いわゆる“滋水涵木”の理りである。
故に滋腎養肝、益陰補血を用いて其の本を治し,清熱祛風を用いて其の標を治す。
処方は杞菊地黄丸合一貫煎加減とした。
肝木が能く腎水の滋養を得れば,目は肝の養を得て,陰が復し血燥は除かれ,諸証は悉く退く。

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