« 紫雲膏の蜜蝋について | Main | リウマチと四神煎 »

アレルギー性紫斑病

 隣市にいる5歳の孫娘が血管性紫斑病(アレルギー性紫斑病)にかかり入院したと連絡があった。
症状は「2日前に37.8℃の発熱の後、右足首から先が腫れあがり痛くて歩けなくなった。赤い発疹が出た。」という。
この病気は発疹や浮腫や関節痛に止まらず、時には腎炎の発症の可能性もあるとのことで大事をとって入院したのでした。

翌日病院へ見舞いに行くと足の痛みはまだあるが腫れは無くなり、平熱で、発疹あり、内出血のような青痣がくるぶし辺りに見えた。
食欲あり。また数日間便秘だということで浣腸をしてもらっていた。
治療は副腎皮質ステロイド剤の点滴が中心で、当分は検尿などしながら腎炎を併発しないように観察するとのことだった。

西洋医学では「原因は不明ながら、種々のウイルス感染症や細菌感染症に続発することが多い」とされ、溶連菌感染症に続発するものはよく知られているという。

 中医学ではアレルギー性紫斑病についてどのように考えているのだろうか?
血管性紫斑病は“陽斑”に属し、血熱妄行による紫斑で、古くは“血風瘡”の一種としたようです。
『中医症状鑑別診断学』には「もともと血分蘊熱の人が風邪にかかり、風邪と血熱が相搏ち、血が妄行して絡脉から溢れ、淤滞凝聚して紫斑を発する。」と説明があります。

ここで東西医学の見解の相違に気がつきます。
西洋医学では原因は一方的に外因にあると考えています。
これに対して中医学では内因として血分蘊熱があって、加えて外風が相搏つと血熱妄行が起こると内外両因に考えます。
だから中医学の治療では凉血薬を主とする一方で、血熱を発生させた内因が陰虚であるという事から必ず清熱養陰薬をも併用します。
流感などのような強い伝染性を持った病気でもない限りは、大抵の病気に対して中医学は必ず自己にも原因(内因)があると考えます。
その原因を作っている体質を改善しなければ真の治癒はあり得ないという姿勢です。

典型病例  患者,女,18歳,学生。
2006年9月8日、油いためを食べた後に四肢に紫斑が出現した。
四肢に大小不均一の紫斑がいっぱい出ており、双下肢が尤も重い。
口干あり、小便は不暢、舌尖紅く、白苔、脈数。
血尿は無く、血小板値も正常だった。
中医辨証:血熱灼絡、迫血妄行。
立法:清熱凉血止血,解毒消斑以養陰。
処方:凉血五根湯《趙炳南臨床経験集》加味
 (白茅根10 瓜呂根7 茜草根・板藍根5 紫草根・生地黄・槐花・牡丹皮・地楡3 甘草2)44
5剤を水煎し、早晩に分服する。1日1剤。

二診:進薬すること5剤にして、新斑は出ず,旧斑も漸く退いた。
原方に沙参3gを加えて,再投すること更に5剤。

三診:皮下の淤斑及び諸症は消失した。

本例は血分に熱毒が内陥したことに因って「動血耗陰」の結果“紫癜”となったものである。
白茅根、紫草根、丹皮は凉血活血・化淤消斑に働く。
地楡は能く清降し又能く固渋し、清しても泄せず、渋であっても滞らず、凉血止血の要薬であり、下肢紫癜には特に効果がある。
紫草根は凉血活血に働き、凉血しても滞らず、活血しても散ぜず、又能く補中益気もあるので紫癜以外にも虚実を問わず用いられる。
かくて滋陰・解毒・凉血が揃って消斑の効果が現れた。

もし腹型紫癜で腹痛があれば川弓・当帰・赤芍を加えて行気活血止痛をする。
関節型紫癜なら桂枝・桑枝・威霊仙を加えて去風活血通絡をする。
腎型紫癜なら山萸肉・枸杞・生地を加えて腎陰を滋補する。

  凉血五根汤加减治疗过敏性紫癜临床观察

|

« 紫雲膏の蜜蝋について | Main | リウマチと四神煎 »

治験」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference アレルギー性紫斑病:

« 紫雲膏の蜜蝋について | Main | リウマチと四神煎 »