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胃痛

心痛(胸痛)と胃痛は別の疾病みたいでも,内ではつながっています。
経脈上は,“胃の大絡は,虚里と名付けられ,膈を貫き肺を絡って,左乳下へ出ています。
胃は其の大絡を通って心と相通じているので,病理上では,胃病から心病を導きだす事もあり得ます。
如えば《証治凖縄·心痛胃脘痛》に云わく:“胃脘が邪を受けると,自病だけに止らない者が多い。胃脘は心に近いゆえ,其の邪が上攻して心へと移り,心痛となる者も多い。”
《臨証指南医案》中には葉天士が曽って瓜蒌薤白半夏湯を用いて胃脘に留った飲濁を治療したという記載があるように,胸陽の痺阻から,胃痛が長引くこともある。

王楽匋老師は葉氏の法を取り,胃痛で胸陽不振・胃気翳滞・痰濁内阻の者には,いつも本方加味で治療して,頗る効験を収めている。
葉天士が語るには、方中の“薤白は味辛にして通じ,体滑にして降る;瓜蒌は苦潤にして豁痰を,陥胸湯は之にて開結をしている;半夏は自ら陽にして和陰をなす”,全体で通陽開痺・和胃降逆となり,通ずれば則ち痛まずという作用を果たしている。
脘脹者には,加甘松、九香虫、青皮、陳皮;
吐酸者には,加煅瓦楞;
嘈雑者には,加川黄連、呉萸;
胸脘痞悶者には,加広鬱金、降香、枳殻;
噫気者には,加生代赭、蘇梗;
苔黄者には,加蒲公英;
并せて随機に条達木鬱の品を加入する,如えば八月札、緑萼梅、娑羅子、青橘葉、柴胡 等。

鹿某某,女,52歳。1991年9月16日初診。
胃脘疼痛歴が已に3年,治ったり再発したりしている。
胃鏡検査では“慢性浅表性胃炎”という診断である。

刻診:当に脘脹痛が,甚しく或いはじくじくとだるく,胸膺は痞満し,大便は常に秘して不爽,舌紅く苔薄膩,脈は弦濡で滑。
此れは清陽が昇らず,胃気翳滞である。
法は当に開痺通陽和胃すべく,葉氏の苦辛法に習う。

瓜蒌薤白半夏湯加減
(薤白・瓜蒌殻・鬱金・玄胡・煨川楝・青橘葉3 煅瓦楞子5 法半夏・甘松・九香虫2 淡呉萸・黄連0.5)30

患者は上方を14剤服して,胃痛が減軽した。
以後、加減して約50余剤を服用して,疼痛しなくなり,食欲は増加した。

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